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聴くと泣いてしまう素敵な曲5選

誰しも聴くと泣いてしまう曲ってあると思うんですが、僕は下記の曲を聴くと心がとにかく苦しくて苦しくて泣いてしまいます。



★The Beatles - Here Comes the Sun


これはもう最高の曲です。Spotifyで最も再生されているビートルズの作品であり、YoutubeのMVにもコメントがたくさんあり、大勢の方々にものすごく愛されていることがわかります。

とにかくあたたかいんですよね、この曲……背中をやさしくさすってもらっているような気分になります。「イッツオーライ」の部分は救いそのもの、といったやさしさです。

僕はギターによるローフレットのDのアルペジオの音型が凄く好きなんですが、この曲はそれを用いた中で最もすばらしい作品だと思います(この曲は7カポでプレイされています。このあたりのフレットにカポを付けて弾くと独特な響きが得られるのですが、本作はその響きを上手く使っているように思います)。また、アコースティックギターの音色がとてもやさしくていいですね。テープを少し早回しにしているからか、ピッチがわずかに高く、春の太陽のようにやわらかで明るくきらめくサウンドに仕上がっています。

ところで、リンゴ・スターのドラムってほんとうにいいですよね。人間らしいウォームな揺れ方をするリズムと、心があたたまるマイルドなスネアの音色がとっても好きなんです。この曲、リンゴ・スターのドラムだけアイソレートして聴いても泣ける気がします。それくらい彼のドラムにグッとくるんです。

いま聴き直しているのですが、繰り返されるシンプルな歌メロの強靭さがとてつもないなと思います。

ド# ラ シ ド#(Little darlingのところ)ってすごくシンプルじゃないですか。この部分はコードがA(構成音はA C# E)なのでシ(B)の音が効果的に響いているんですね。別に複雑なことをやっているわけではないんですが、シンプルゆえに強烈に聴こえる音ってありますよね。それがこの曲のポイントかなと……


★Carpenters - Yesterday Once More

カレン・カーペンターの歌声って世界で最もうつくしいもののひとつだと思っています。あたたかい毛布の中で、やわらかな愛につつまれているような気持ちになります。

そんな彼女の歌う曲で最も素敵なのが本作だと思います。上記のビートルズ同様、超有名な曲ですが、多くの人々に愛されるのも頷けるほどすばらしい……

本作の一番の魅力は、聴いていて狂おしいほどに懐かしくて優しい気持ちになるところにあると感じます。

録音の質感がまた好きなんですよね……まろやかでウォームな感じがします。イントロのピアノの響きからもうすでにただならぬオーラを感じますよね? ただのメジャーコード(E)なんですけどね。僕はEというコードが好きなんです。好きな曲の好きな瞬間のコードを採るとだいたいEです。

それはさておき、リチャード・カーペンターってジョン・レノンやブライアン・ウィルソンに匹敵する相当なメロディメーカーだと思うんですよね。彼の作品には、憂いを帯びた、心の底から感動がこみ上げてくるようなメロディの曲がたくさんあります。

そんな切ないメロディに乗っているのは、僕にも理解できて、深く共感できるくらい易しい英語のものすごくセンチメンタルな歌詞……切なさが痛いです。ほんとうに。

アレンジもまたいいです。キュンとくるコーラスや、ここぞというタイミングで鳴るイングリッシュホルン(綺麗な音色です!)。

「As they melt the years away」からサビに入る瞬間は何度聴いてもうつくしいです。雲を抜けて、空が一気にひらけるような爽快感があります。


★Felt - Primitive Painters

最高の楽曲のひとつ。音によって描き出される風景のうつくしさでいったらこの曲に勝るものはないのでは……と感じています。

ミステリアスな雰囲気のイントロから始まり、拍子が変わってハモンド・オルガンがパッド的に鳴らしだす、循環するコードがプリミティブながらも楽曲に不思議な浮遊感をもたらしています。ハモンド・オルガンが入った瞬間、濃い靄が晴れて中世ヨーロッパの街並みが眼前に広がるような感覚を覚えます。

なんとなくですが、この曲には文明が興って徐々に滅びてゆくような寂しさを感じます。音楽って不思議ですね。本作でオルガンが弾く和音は個人的には中世ヨーロッパの城のイメージ。ローレンスとエリザベス・フレイザーの歌からはリフレインがそう感じさせるのか、街や城の時がゆるやかに、かつ残酷に流れてゆく風景がみえます(なんかこの書きっぷりだと、水晶玉を覗く占い師みたいですね……笑)。

ぼそぼそつぶやくようなローレンスのヴォーカルと力強く、また神秘的なエリザベス・フレイザーのヴォーカルの対比がうつくしいですね。ローレンスが符割りの細かい歌を、エリザベス・フレイザーは比較的伸ばす音の多い歌を歌っているのもポイントです。対照的な二者がお互いを際立たせていると思います。

この曲、Maurice Deebankによるギター・ソロが冴え渡っていてすごいんですよね。音色は儚く、フレーズは鮮烈で、ここでもいい対比がみられます。



★Toninho Horta - Manuel, o Audaz

この曲は個人的に、聴いていると天使たちに連れて行かれてしまう音楽です。

なにがそう感じさせるのかまるで見当がつかないのですが、とにかくイントロの一音めを聴いた途端、身体がふわっと浮かび上がり、周りに天使がいるような気持ちになるんです。聴き進めるうちに身体は高く浮かび、天使も大勢やってきて、バンドインとともに僕は昇天してしまう……いつもそんな気持ちで聴いています。昇天後は天国を旅するような気持ちです(よく考えると、これ謎の文章ですね……)。

曲の後半を華やかに飾るパット・メセニーによるギターがとんでもなくうつくしいです。常にサビのような高揚感のあるフレージングは見事! ずっと終わらないでほしい! と思う曲ってみなさんあると思うんですが僕はこの曲がその頂点ですね。ずっとアウトロ(?)を続けていてほしい……フェードアウトしてゆく音のわずかな響きでさえ聴き逃したくないほど名残惜しく感じます。



★Lô Borges – Clube da Esquina N° 2

(サブスクだと上記のトニーニョ・オルタと同じコンピに入ってますね)

『A Via-Láctea』というアルバムに入っているバージョンです。ミルトン・ナシメントとのアルバム『Clube da Esquina』にも同じ曲が入っていますが、僕はこちらのソロ・アルバムバージョンをオススメします。

サウンドがとにかく優雅で甘美で、天国で甘い果実を頬張っているような気持ちになります。

歌のメロディがめちゃめちゃに綺麗です。似たようなことを上に書いたばかりですが、桃源郷にいるような気持ちにさせてくれるメロディだと感じます。どうやったらこんなに綺麗なメロディが書けるのだろう……特にサビ(?)部分のハモりがたまらなくうつくしいですね。鳳凰が翼を羽ばたかせて舞うような麗しさです。街中でも、自室でも、流した途端にほんとうにユートピアにいるような幸福な気持ちになるんです。こんな気持ちにさせてくれる曲は後にも先にも本作だけでしょう。







書いてみて思いましたが僕はどうやらあたたかい気持ちになる曲を好きになる傾向にあるようですね。

どの曲も心がポカポカしすぎるあまり泣いてしまうんだな……と気付きました。

おしまい。

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