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2022年・年間マイベストアルバムこの3枚

今年リリースの作品の中で特によく聴いた作品について書いていきます。

左上  Mitch Davis - The Haunt
右上  Marci - Marci
中央下 John Moods - The Great Design


Mitch Davis - The Haunt

カナダのマルチ奏者による、70年代のポップミュージックへの憧れが詰まった、やわらかな音楽です。クレジットをみたところ、すべての楽器をMitch Davis本人が演奏している(歌はもちろん、ドラム、ベース、ギター、ピアノ、サックス、など……)ようです。すごい!
肝心の曲も素晴らしくよくて、普遍的な歌、正統派なスタイルの編曲をウォームな音作りで丁寧にラッピングしているところが好きです。飛び道具的な要素は少なく、リラックスして聴けるのもいいですね。

アルバム1曲目『In the Morning』
まさに朝の訪れを思わせる和音のギターのアルペジオでスタートし、リズムボックスの音が入ると、目覚めてゆっくりとベッドから出て、支度を始めるような神秘的な気持ちになります。曲はじわじわと盛り上がっていき、様々な楽器が交差していきます。

アルバム2曲目『Bear the Cold』
ハネたリズムとクラビネットが混ざり合って実にファンキーな曲。リズムに注目して聴くのも楽しいですが、歌を盛り上げる仕掛けに富んでいるところも聴きどころかな、と思います。ナイスな曲構成と編曲……インタールードが好きです。内容は濃いですが、2分45秒と短く仕上がっているので、ぜひ聴いてみてください。

アルバム6曲目『What You Say』
こちらはジャズ・ファンクやアフリカの音楽的な要素を含んだ曲。ぶんぶん唸るベースリフがクールです。一人でこのグルーヴ感を出せるのがすごいなあと思います。

なお、彼は後述のMarciのアルバムにドラマーとして参加しています。
個人的ベストトラック『Bear the Cold』


Marci - Marci

こちらもカナダのミュージシャン。モントリオールのバンド、TOPSでキーボードを務めるMarta Cikojeviのソロアルバムです。こちらは80年代のポップ・ミュージックへの憧れが詰まった作品。聴いているとポジティブな気持ちになれるところが好きですね。前述の通り、Mitch Davisがドラムを叩いており、『The Haunt』でみせたグルーヴィで心地よい演奏をここでもバッチリ披露してくれています。

アルバム2曲目『Immaterial Girl』
素晴らしい歌ものディスコ・チューン。歌がすごくいいんですよね。期待を煽るサビ前~サビの部分のコード進行が非常にエモーショナル。「I bet all my love on feeling better」のところだけ何回も繰り返し聴いてしまいます。

アルバム4曲目『Terminal』
『人を幸せにしたいという思いがありました。ネガティブなことがあっても、踊れるんだと思わせたかった』
と本人が語っていたように、悲しいときでも踊りだしたくなるようなナンバー。大きなスピーカーで爆音で聴きながら踊りたい! サビ前のスネアを連打するところがすごく高揚感あって好きです。

アルバム11曲目『BB I Would Die』
アルバムのラストを飾るのはスウィートでメロウなチューン。この曲からは70年代後半のAOR的なムードを感じます(AWBみたいなね)。ギターのフレージングが実にナイスで、気持ちいい! そしてアルバムの中でもひと際輝いている歌のすばらしさ! 2:00あたりから畳みかけてくるところの多幸感はすごいです。

個人的ベストトラック『BB I Would Die』


John Moods - The Great Design


ベルリンのアーティストのソロアルバムです。前作『So Sweet So Nice』は2021年個人的ベストに選出していて、今年もリリースがあると聞いてワクワクしていたのですが、期待以上の作品でした! 今作は80’sマナーにのっとった曲が多く、個人的に非常にツボでした。彼は声が素晴らしいんですよね。柔らかくてまるい歌声が聴いていて非常に心地よいです。
The Zenmennとのコラボアルバムのリリースされていて、そちらも素晴らしい内容なので是非……

アルバム1曲目『Anyone』
繰り出される音のひとつひとつが気持ちいいナイストラックです。効果音的な音がたくさん入っているんですがどれもエフェクティヴに響いていて、見事なサウンドスケープを描いています。この曲はサビの部分がすごく好きです。いろいろな音を重ねて徐々に盛り上げていき、壮大なサビがやってくる……前述のThe Zenmennとのコラボ作品『Hidden Gem』の曲に通じるものがあると感じます。

アルバム2曲目『Such A Thrill』
今年リリースの楽曲の中で一番好きな作品。この曲は理屈じゃなく好きなので語ることがないですね……かっこいい曲です。

アルバム3曲目『It Ain't Your Time』
恐ろしいほどノスタルジックなムードを漂わせた曲。China Crisis『Wishful Thinking』とかあの辺の雰囲気です。こういうの、問答無用で好きなんですよね……幼少期を思い出して、泣きそうになってしまうんです。

個人的ベストトラック『Such A Thrill』




おわり

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