見出し画像

【感想】バンドの魅力……! Khaki - お祝い / 萌芽

こんにちは。

今日は最近特に注目しているバンドのひとつであるKhakiについて書きます。



私が彼らを初めて知ったのは『Janome』というアルバムでした。後出しジャンケンではありますが、一聴してすぐに「この人たちはただ者ではないな……ハネるな……」という予感を抱きました。

いい歌をエリオット・スミスやレディオヘッドあたりの90'sオルタナティヴ(雑な括りではありますが)の影響を受けたアレンジで演っていて、バンドっていいな……という風に思ったのを覚えています。

………………

音楽をやっていて強く感じるのは、人それぞれ似合うファッションがあるように、バンドやアーティストによって似合う音楽性があるな……ということです。

変なたとえですが、街のアコースティックギター同好会に入っているおじいさんおばあさんが舞台に立って、アブストラクトなヒップホップを演りだしたらびっくりしますよね? それと同時になんか似合わないな……無理してないかな……と感じると思います(本当にやりたくてやっているとしても)。

………………

Khakiのいいところは、いい歌を90's的なオルタナサウンドでラッピングしつつ、時折彼ら独自のクールでアヴァンギャルドな感覚を(萌芽もお祝いもアウトロが奇妙で面白いです)覗かせ、それが彼らの立ち姿によくマッチしているところにあると感じます。

かっこいい曲だったりいい曲をただ演奏しているだけじゃなく、遊び心をものにしているところがとてもクールだと思うのです。

心地よい歌がすこし不穏なアレンジで際立っているな……と。スイカに塩をかけたり、メロンにハムをのせるように、スイートな要素に塩気をプラスすることでスイートさが引き立てられ、より美味しくなる。そんな感じです。

………………

現時点の最新シングルである『お祝い』もすごくいい曲です。彼らの書く歌詞は奥行きがあり、簡単な言葉で片付けられるほど簡単に解釈できないのですが、これは別れの曲でしょうか。間奏のほんのりとエモーショナルで切ないところや、だんだん燃えるように熱くなる演奏、熱をもちすぎて爆発するように歪んだギターが炸裂するアウトロがとってもかっこいいです。熱いんだけど熱すぎない、やや醒めた感じも彼らの魅力だと感じます。

『萌芽』もまたいいですね。メインのソングライター(かつヴォーカリスト)ふたりがどちらも魅力的なのも彼らの強みです。冷たい印象を覚えるギターのアルペジオ主体で進み、途中で挟まれる不思議なコード感の(「今見た」「2を指す」のところ)アクの強さや間奏のギター、ベース、鍵盤がそれぞれアグレッシブに不穏さを演出するところが、上記の「甘さと塩の関係」の法則にのっとっていて気持ちいいです。特に子の曲はベースが巧みですね。音もいいですし、弾きすぎないところが気持ちいいです。

………………

ところで私は彼らの作品の中では『Overtone』が一番好きです。歌がとにかくいい! 『愛しているんだよ』というフレーズをかっこよく歌える彼らに嫉妬さえ覚えます。いかにもレディオヘッドなリードギターのフレージングもツボです。

いやあ、かっこいい……


おわり





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?