【共に】

「それじゃあ行こうか」
「うん。よろしく」ぼくは手を差し伸べた。
 きみは嬉しそうに、ぼくの手を握りしめた。
 小さくて少し冷たい手。思わず力が入った。
 反応するようにきみは握り返してきた。
 どこまで行けるかなんてわからない。それでも進もう。
 きみと一緒ならどこへでも行ける。そんな気がするんだ。