悪意のない言葉たち
不妊治療をしていることは、あまり多くの人には話していない。
隠しているではない。
このご時世、仲の良い大切な友達とだって気軽に会えないから…。
大切なほど会うのに慎重になる気がする。
だから、せっかく久々に会えた時は美味しいもの食べながらニコニコしていたいし、友達のストレスフルな話を聞いて、共感したり、一緒に怒ったりするのが楽しいから、あっという間に帰る時間になったりする。
ありがたいこと。
だから心を許してるとか、仲が良いっていう物差しだけで治療の話を打ち明けるわけじゃない。実際に仲の良さとは別に、その場の話の流れで治療の話をすることもある。
具体的に聞かれたら答えるしかないし…。
子どもはいないと話すと「病院とか通ってるの?」って聞いてくる人って、結構いないですか?いやいやよく聞けるな〜。って思うけど、不妊治療は恥ずべきことではないし、普通に答える。
すると言われるの。
こういう系の言葉。
「私の友達はね、何年間も病院通ってたのに、治療やめたらできたらしいよ。」
「〇〇さんは、頑張って治療したけどダメで、諦めたら自然にできたんだって。」
それ、めちゃくちゃ傷つける言葉です。
病院へ通ってるのにできないことへの慰めの言葉なのだろう。おそらく。
多分悪意はない。
それは分かってる。
だけど…
毎月毎月
時間もお金もかけて、
心も体も痛い思いをして、
今私がしていることが無意味だと?
今の私にはそんな風に聞こえてしまう。
こんなに頑張って無理なのに、諦めたらできるなんて適当なこと言わないでほしい。
言われたら心を無にして
「あーそれよく聞くよね。」
って返事することに決めている。
私も20代前半の若き頃、
流産した友達に言ったことがある。
「よくあることだって聞くよね。」って。
それは、辛かっただろうけど、彼女自身は何も悪くないよ。だから自分を責めないで。っていう気持ちからの言葉だったけど、きっと傷つける言葉だっただろうと後から反省したことがある。
悪意がなくても
簡単に心を傷つけてしまう言葉がある。
経験した人にしか分からないことってやっぱりあると思うから。
無理にそして安易に言葉にせず
ただただ寄り添う。
言葉がなくても気持ちは伝わる。
それができる人になりたいと思う。
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