マガジンのカバー画像

私的 芸術鑑賞

6
・直感的に良いなと思った作品を選んでいます ・芸術に関しての知識はない素人です ・観て感じたことを文章化する練習として書いています
運営しているクリエイター

#絵

Donati's Comet/ William Turner

高台から彗星を観測している。 眼下に見える平地に生える高い木々が、もう点の集まりにしかみえないくらいの高さだ。 おかげで空を遮るものは何もない。 日はしずみきっていなく、地平はまだ少し明るい。 枝葉を上にも横にもグネグネと大きく広げた木がしずみかけている太陽の光を遮るように立っている。 星達はまばらで輝きが少ないなかでも、彗星は尾がしっかりと確認できるほど明るい。 先端から湾曲した尾をひいている様子は一点から光を放出している手持ち花火みたいだ。 ここは人のよく通る道だろ

Symphony in White and Red/James McNeill Whistler

全体を構成しているのは、線。筆をなめらかに走らせた跡だ。 そのひとつひとつに色がのせられて、この世界がつくられている。 近くでみるとやはり線の存在が目立っている。 こどものころに食べた細長いひも状のグミを思い出す。 グレープ味、リンゴ味、ソーダ味、コーラ味。 それらがうねうねと集って人物なり背景なりを形どっているようだ。 あいまいに描かれている人物と背景のせいで、ぱっと見ではどんな場面かもわからない。 赤い団扇のようなものが目立つ。なにやら舞台の上で人が踊っているのだろう