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ルーツへの回帰から一つの集大成と時代の区切りを示したロック・ミュージック

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1960年代後半、ロック・シーンは、前年までのサイケデリック・ロックの流れから一転し、ルーツへの回帰が顕著となりました。

その背景には、同時期、ベトナム戦争や人種問題が混沌の一途を辿っており、社会情勢の不安定化に伴い、各ミュージシャン達は、ルーツへと回帰することで自身の足元を今一度見直そうとしたのかもしれません。

ブルース/R&Bやフォーク/カントリーなど多様な音楽ジャンルを束ねる事で成立したロック・ミュージックは、そのルーツの一つであるカントリーの要素をより色濃く取り入れていきます。

その結果、ロック・ミュージックは、一つの集大成を示す事となり、そして、それと同時に、60年代というロック・ミュージックにとって最も重要な時代に対し、一つの区切りを付ける事となったのです。

『John Wesley Harding』/Bob Dylan(1967)
作品評価★★★★(4stars)

この一枚のアルバムは、自身における最高傑作の一つであるダブル・アルバムを上梓した後、突然のバイク事故によって隠遁生活を送る男から突如シーンへと届けられた。

ナッシュヴィルへの傾倒の鍵となった人物ボブ・ジョンストンが見守る中、現地のミュージシャンたちと制作された今作は、私生活の安定性を窺わせる、どこか牧歌的である穏やかな仕上がりだ。

今作以降のディランは、シーンの中心地からある意味遠ざかったが、海賊版として出回るかの有名な『ザ・ベースメント・テープス』同様、今作品も、その後のロックの流れを形成していく重要な切っ掛けとなった。

『Music from Big Pink』/The Band(1968)
作品評価★★★★☆(4.5stars)

カナダ人を中心に構成されたグループが発表したこのアルバムは、ロック・シーンの潮流を大きく変えた。60年代、いや、ロック史において最も重要な作品の一つと言っていいだろう。

タイトルに示された通り、ニューヨーク郊外に居を構えるビック・ピンクで録音された今作は、ジョン・サイモンによる監修の下、若者らしからぬ風貌の五人組が有機的なセッションを生み出し、下手なアートワークをボブ・ディランが申し出る事で完成した。

後年、アメリカーナと名付けられたバンドの豊潤な音楽性は、エリック・クラプトンを癒し、ジョージ・ハリスンには共感を与えるなど特に英国のミュージシャン達に多大な影響を及ぼし、70年代以降、彼らにとって最良の道標となった。

『Beggars Banquert』/The Rolling Stones(1968)
作品評価★★★★☆(4.5stars)

差し替えも常識的な判断であったこのどうしようもないジャケットの今作は、それとは裏腹に、前作の迷盤から一転し、ブルース/R&Bを出自に持つバンドによるこれ以上のない会心作である。

リーダーを務めていたブライアン・ジョーンズと入れ替わったジミー・ミラー指揮の下、ジャガー/リチャーズは、カントリー/ソウルを自己流に会得/体得することで、中期以降ストーンズの代名詞となるスタイルを見事に掴み取った。

「Sympathy for the Devil」というロック史屈指の問題作が指し示すように、悪魔に憑かれた彼らは、60年代後半から70年代前半に掛け、事件性を孕みつつ、その永きキャリアにおける黄金期を築き上げていく。

『What We Did on Our Holidays』/Fairport Convention(1969)
作品評価★★★★(4stars)

ロンドン郊外/マズウェルヒルに拠点を置くこの小さな集団は、女性ボーカルの入れ替わりを機に、トラディショナル色に染め上げられた英国産のフォーク・ロックを確立させた。

アイランド・レコードからリリースされた今作は、旧世界/英国と新世界/米国のフォークが交配するという感慨深いスタイルによって、シーンへ新たな息吹をもたらせた。

今作以降のフェアポート・コンヴェンションは、精霊サンディー・デニーに誘われ、伝承歌が眠る深き森の奥へと足を踏み入れ、現代の英国において最も優れた大衆歌を発表していく。

それでは、今日ご紹介したアルバムの中から筆者が最も印象的だった楽曲を!

ルックスやパフォーマンス、アレンジもおかしいが、背後に黒幕が付いてると勘繰りたくなるような歌詞のヤバさ(笑)

お前ら、ほんま何者やねん。。



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