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11月、秋。

会った日の夜、お風呂に入って身体を洗い始めた時に、「ああ、ここ触られたな」って思う。いつも。

触れられた体の一部を、触れられた時のふたりきりの空気を、思い出す。その人のことを思い出す行為。

運転席側に仰向けにもたれた。彼の太腿が枕となる。

フロントガラス越しに見えた、街灯に照らされた紅葉の木々がやたらと美しい夜で。左耳からお腹の呼吸が聞こえ、そのまま見上げれば私が好きな顔の男が居る。目を閉じていた。かっこいいな!