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私の記憶の中の患者さんたち全身熱傷〜


今まで看護師として働いてきて記憶に残る方をお伝えしたいと思います。
個人情報保護法もあるのである程度プライバシーに配慮しながらお伝えできたらなと思います😌

今回は全身熱傷の方。

私が入職して数ヶ月経ったころです。
自宅で油を使った料理をしていたところ燃え広がってしまって、自宅はほぼ焼けてしまったらしく、全身に火傷を負っていたため救命センターに搬送された方です。

まだまだ下っ端だったので、初療は先輩が対応。
邪魔になってしまうので近づく事もできませんでした😖

病棟へ入室して数日経った頃から、見学させて頂く機会がありました。

全身のほとんどがⅢ度熱傷。
当然重症なので1年目の下っ端は担当にはなりません😅



ちなみに、熱傷はI〜Ⅲ度で分類されます

Ⅰ度熱傷
Ⅰ度のやけどは表皮のみのやけどです。外見上、皮膚が赤くなり、痛みを伴います。通常数日のうちに傷あとなくなおります。

日本形成外科学会HPより

Ⅱ度熱傷
Ⅱ度のやけどは表皮だけでなく、真皮にまでおよんだやけどです。外見上は水泡形成しています。Ⅱ度のやけどはその深さによりⅠ度にちかい浅いものと、Ⅲ度にちかい深いものに分けられます。痛みが強い場合には浅いもの、痛みが弱い場合には深いものであることが多いです。Ⅱ度の浅いやけどは傷あとを残さず治癒します。一方Ⅱ度の深いやけどは傷あとが残ることが多いです。治療期間は範囲にもよりますが1-4週間ほどです。

日本形成外科学会HPより

Ⅲ度熱傷
Ⅲ度のやけどは表皮、真皮のみならず脂肪・筋肉といった皮下組織にまでやけどが及んでいる状態です。神経や血管もやけどでやられているため、外見上白色に見えたり(時に黒)、痛みの感覚もありません。手術等専門的な治療が必要になり、1か月以上の治療期間を要することも少なくありません。また傷あとが残ることが多いです。

日本形成外科学会HPより

こちら熱傷分類なのであくまでも参考に😌

気になった方はぜひこちらへ💁‍♀️


勿論、重症なので処置なども多くありました!
特に記憶に残っているのは、熱傷処置。バーン処置。

この処置は、軟膏を塗りこんだガーゼを当てるのですが、これが大変そうでした😅
数日に一回とかの実施なのですが、まず、前回の包帯やらガーゼやらを外します。
その時皮膚が持ってかれないように消毒液を使用しながら医師が行います。
皮膚のバリア機能が失われている状態なので、滅菌状態で実施します。
包帯を外したらまず消毒。
軟膏塗布きたガーゼを当てて、包帯で保護します。
場合によっては出血している部位を電メスで止血する場合もあります。

流れは簡単かもしれませんが、これが果てしなく大変。
なんといっても部屋が暑い😅

皮膚で体温調節も行うのですが、熱傷の方は体温調節が難しく低体温になりやすいです。
そのため室温を上げておくことが多いです。

それにしても暑い😅看護師まで滅菌ガウンを装着することはそうそうないですが、感染リスクが高いため防護具の着用をします。
また、熱傷の範囲によっては数分で終わる事がないのでこれまた大変😅

また、背中など顔面の処置もありました。気道熱傷もあったため気管挿管され人工呼吸器管理中。身体を動かす際は、予定外抜去に注意して観察していく必要もあります。

バイタルサインの変動にも留意して、医師へ報告も行います。

この時見学しか行っていませんでしたが、とても大変そうな処置でした。

重症熱傷は治癒するまでとてつもなく時間がかかります。
また、皮膚がかさぶたみたいになるので、そこがまた剥けてしまうとまた出血して、またかさぶたができての繰り返しですごく時間がかかるイメージです。😅
さらに、気道熱傷は咽頭が浮腫んでしまい、早期抜管できず、場合によっては気管切開などの追加の処置も行う場合もあります。

この方は全身ずる剥けで、かさぶたができると言い方が悪いかもですがゾンビみたいな見た目になってしまっていました🥲
数ヶ月間救命センターに入院していましたが、改善傾向にあったのでしばらくして皮膚科へ移動しました。

1年目で初めて重症熱傷を目の当たりにして、とても衝撃を受けた事例だったので深く記憶に覚えています。

日々目まぐるしく働いていく中で、ふとこの方は元気かな?と時々思います。


超急性期病棟なので改善や増悪がとてもわかりやすいです。
改善されれば看護師として対応してきた事が報われる思いですが、増悪の場合はなぜこの時気づかなかったんだろうなど考えてしまいます。

日々学ぶ事が多い救命センターです。
まだまだ未熟者ですが、日々学んで行こうと思います。


読んで頂きありがとうございました🙇‍♀️

ぜひ次回も見て頂けたら嬉しいです😉🐈


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