見出し画像

コアラーズ2021-22シーズンは最高に楽しかった。

2022年4月2日(土)、Wリーグ2021-22シーズンのプレーオフが開幕した。にっくきウイルスによる試合中止の影響を受けてレギュラーシーズン7位だった三菱電機コアラーズは、6位のシャンソン化粧品シャンソンVマジックと対戦。序盤リードされたのを前半終了時に追いついたと思ったら再び突き放され、13点ビハインドで第4ピリオドに入り、残り0.4秒で1点差まで追いつくも、負けてしまった。かくしてコアラーズの今シーズンが終了した今の所感をしたためたくなり、noteを書いている。

今シーズンは(にっくきウイルスによってシーズンをめちゃくちゃにされた以外は)本当に楽しいシーズンだった。タイトルにも書いたが、これに尽きる。この後長くなりそうなので先に一言で言いたいことを言うと、今シーズンはタイムシェアするようになった結果、沢山の選手の成長が分かりやすく感じられたから、楽しかったんだと思う。

まず1番に、試合に出られる選手が増えた。これはひとえに、選手一人一人の努力と古賀HCの手腕によるものであり、みんなにありがとうと言いたい。10年間ずっと大好きなコアラーズだが、一つ不満だったのは、タイムシェアをしていなかったこと。昔はスタメン5人中4人はフル出場なんてことがザラだったし、最近までも若手はボロ勝ちしている時以外はほとんど試合に出られなかった。

しかし今シーズンは、せっていても負けていても前半から積極的にベンチメンバーが起用された。そうしているうちに、ベンチメンバー中心でも試合が上手く回るようになった。にっくきウイルスやコンディションの関係で、普段の得点上位3名が試合に出られなかった王者トヨタ自動車戦では、新人選手まで総動員して戦っても、コアラーズのバスケットがブレずに遂行された。点差はついてしまったが、非常に嬉しい試合だった。

それから、選手一人一人が大きく成長した。12月にWリーグが主催して行われたインスタライブで今シーズンの目標を聞かれたキャプテン#45渡邉選手が「順位とかよりも、1試合1試合成長すること」と答えていたが、まさにこれを体現したシーズンだった。

特にPGの成長が著しかった。今シーズンは3人のPGが各自の持ち味を活かして支え合う体制だったが、この3人が競い合うかのようにどんどんと実力を伸ばしていった。シーズン途中からスタメンに抜擢されるようになった#39藤田選手は、高卒2年目とは思えないほどの度胸で堂々とプレーし、最初の頃こそスピードについていけなくてファールがかさんでいたのが、日本代表級のエースガードをきっちり守れるまでに成長した。移籍して入った#21笠置選手は泥臭いルーズボールや落ち着いたボールコントロール、そしてスリーポイントと、自分の強みをいかんなく発揮するようになった。6年目の#10見崎選手は、シーズン終盤でチャンスを掴み、安定感とスピード、しつこいディフェンスで一気にHCの信頼を勝ち取った。3人の成長で、これまでのコアラーズにはなかったツーガード起用の戦略も生まれ、エース渡邉選手がいなくても試合が回るようになった。

#45渡邉選手とインサイド陣のコンビネーションが抜群に良くなった。#9小菅選手とは一瞬のアイコンタクトで絶妙なパスがゴール下に供給され、#15西岡選手がポストでボールを持った時にはバックカットで合わせて一瞬で点が決まる。元々ずっと一緒に試合に出ていた仲間だが、今シーズンのコンビネーションは試合のたびに磨かれていき「分かっていても止められない」ホットラインになった。点数が決まると本当に嬉しそうに互いを指差し合う姿が、尊い。

#4根本選手は元々のスリーポイントに磨きがかかっただけでなく、スリーポイントをフェイクにしたドライブのバリエーションが増えた。特に渡邉選手がいない時間帯の、自分で点を取ろうという気迫は、これまでになかったものだった。

#3永井選手は、1月の富士通戦で覚醒。相手がビッグマンだろうとすばしっこいシューターだろうとオールマイティに守れるディフェンス、さらにドライブから長い腕でシュートをねじ込む力もついた。結果、リバウンドがとれていない時間帯に、自信を持って送り出されるようになった。

結果こそ7位に終わったが、ファイナルまで進んだシーズンと同じかそれ以上に楽しいシーズンだった。好きなチームが勝てば嬉しいが、それだけでなく、今日はあのセットプレーが成功した、リバウンドを頑張った、チームディフェンスが機能した、そういう成長の一瞬一瞬を目撃できるのが、スポーツチームを応援する醍醐味なのだと改めて感じている。来シーズンのコアラーズも楽しみだ。

この記事が参加している募集

スポーツ観戦記

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?