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自然に触れることを避け続けた私が、庭の手入れをしてよかったと思ったこと

実家には前庭、裏庭、さらにその奥に庭がある。家族で情報共有するために私が名付けた庭の種類。

前庭には父親が育ててきた皐月(主に植木鉢)、椿、きんもくせい、藤、アジサイ等がある。裏庭は家庭菜園の場所。主な活動は春から収穫の夏。その奥の庭は芝生があり直植え(じかうえ)された皐月や名前も知らない植物たちがある。

実家を離れて約20年。
ここ4~5年はこの庭の手入れにかかわってきた。年に1~2回、植木屋さんに入ってもらうものの、盆栽はカテゴリーが違うようで手入れはしてもらえない。

幼少期から庭に植物がある環境に育ってきた。とはいえ、そろそろ庭仕舞いを考えてほしい、と提案をしてみたのだがそうはいかないようだ。


●父が育ててきた皐月の話

幼少期は手狭な庭だったが、あふれんばかりの鉢があった。

盆栽は手がかかる
・針金で枝ぶりを変える
・剪定する
・植え替えする
・花摘(花が咲くと次の年に向けて花を摘む)

我が家は皐月が主体。皐月はそうやって花を咲かせるそう。

水やりも夏場になると朝晩2回。
肥料も与える。私が実家にいたころは父のお手製だった。この肥料が曲者。
ご存じの方もいらっしゃると思うけれど、肥料がものすごく臭う。
購入してきたものでも結構な臭いがするが自作はもっと強烈。
臭いについて父にクレームを入れようものなら

・肥料は植木にとっての栄養だ
・人間がご飯を食べるのと同じだ

と、大きな目をさらに大きくして言っていた。強面なのでめちゃくちゃ怖かった。

花が咲いている短い期間、狭い我が家に長テーブルを出し品評会。しばし悦に入る。針金で固定される枝、見栄え良く剪定される枝。質問しようなら長々わからない説明が始まる。その時の父の笑顔と言ったら。強面の父がたまに見せる優しい笑顔だ。100鉢以上は持っていたと思う。
愛情深く育てられてきた皐月たち
今はできることを可能な量と質で行っている。

・花摘み
・植木鉢の雑草取り
・植え替え

この花摘みと雑草取り。
どちらも、黙々と細かな作業を繰り返す。
ピンセットを使い雑草をとり、名前を知らない道具で木に張り付いた苔をとる。
細かい作業は得意ではない、そして同じ作業を続けることは苦痛。
庭仕舞いの提案が受け入れられるまできっと続くのだろう。

花摘み前の皐月
これは直植え
花摘みあとの皐月たち

昨年、初めて植え替えをした
植木鉢が木の大きさに合わなくなり根詰まりを起こすのだ。
皐月にとっては生きていけるかどうかの瀬戸際。
植木鉢から皐月を取り出す。どうやって取り出してあげるのか、姉と試行錯誤。
取り出して根をほぐす。洗ってもいいそうだけど、土が流れてしまうのでそのまま別の鉢に移植。
初めてのことは戸惑うことがあるが、「やってみたがり」の私にはそのプロセスは楽しめる。
数鉢植え替えをやって迎えた今年、生き返ってくれた皐月があった。
剪定したほうがいいのでは、という枝もあるが花を咲かせてくれたのはうれしい限り。


玄関に掛けてある看板
これを見て仕事の依頼が来たことも。

●家庭菜園の話

最近はレンタル畑で家庭菜園をやる方が増えてきた。ネットにも育て方、剪定の仕方についても情報がある。
何よりYouTubeはありがたい。見るのは私ではなく姉なのだが。

家庭菜園。野菜(苗)を植える前にすることといったら、畑の準備。まずは草むしり
畑そのものというよりは、畑の周囲にある草むしりをする。
これがとにかく、何よりイヤだ。
イヤだといってもやらないわけにはいかず。
しかも、一度では終わらない。年間何回も草むしりはやってくる。
どうやったら、いやな気持ちを少しでも軽減できるか。

・before afterを比較する
・比較した後でほめてもらう

before afterを比較する、は自分の達成感
どうやったらなるべく手数をかけずに雑草がない状態になるのか。
結果的に効率化は図れないんだ、と気づいたのだけれど。
(野菜畑にも使える除草剤はあるけれど、我が家では反対されて使えない)

比較した後でほめてもらう。これは大事。
ほめてほめてと自己主張。
ほめられると頑張れるのでとにかくほめてもらう

それで何とか継続できている。
天敵。それは草むしりをしていると出会う、虫たち…。
出会いたくなくても、見ないことはない。
5年もやっていると慣れるか、というと決してそうではない。
キライなものはキライ。
出会ったときの驚き加減に変化があるくらい。
軍手はしているけれど、それでも触りたくない。
幼少期にセミ、カブトムシ、クワガタ、ザリガニ…素手で触っていた自分がうそのよう。

草むしりが終わったら、畑を耕して畝を作って土に養分を与える。
ここまでやってようやく苗を植える過程だ。苗はホームセンターで調達。
初心者は種から育てることは難しいので苗を購入してくる。

今年も植えるものは変わらない。
スイカ、トマト、きゅうり、サトイモ。
トマト、キュウリはよく育つので苗の本数を少なくした。
今年はどれだけ収穫できるだろう。


去年収穫したスイカとトマト
きゅうりもたくさんできました

●自然に触れて思うこと

この4~5年、自然に触れ合うことが増えた。
やむを得ない事情とはいえ、今までゼロだったので大した進歩だ。
自然に触れ合うことで気づいたことがある。

よい気分転換になっている

人に触れ合う、パソコン・スマホを手放せない。この日常でいろんなオリがたまっている、きっと気づかないレベルで。
自然に触れて、植物に触れて。
その日の空気感、日差し、土のにおいを感じて。
ふっと手を休めたら近くにある野球部の練習場から、選手の声が聞こえたり。
幹線道路からはツーリングに出かけるバイクの音が轟いたり。

外で過ごすによい季節になったんだなぁ

心の中でモヤっているものが薄れたり、季節の移り変わりを肌で感じられたり。
そんな良さを感じるようになった。

●まとめ

庭や畑の手入れは大変。
自然が相手なのでスケジュール通りに行くことのほうが稀。
私を軸に言うならば、暑いこと、汗をかくこと、日焼けすることを避けたい。
継続できている理由の一つは

・気分転換になる

生い茂った雑草がなくなった爽快感はこの作業から得られるのだ。
実家と我が家を行き来するからこそ感じる周囲の音・空気の違い、これも気分転換に繋がっている。
自然に触れることに「慣れる」まで到達はしていない。
それでも継続できているわたしに、「よくやってるね」とほめてこの記事を締めようと思う。

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