BCC Day 4「センチメンタルな旅」「冬の旅」荒木経惟
7日間 BCC(book cover challenge)のお誘いをOsamu Okamotoさんからいただきました。
好きな本の表紙を1日1冊、7日間投稿で僕の嗜好をシェアしたいと思います。「本の説明はなし、表紙だけ」というルールらしいですが、勝手に改変してその縛りはなくします。
Day4は「センチメンタルな旅」「冬の旅」 荒木 経惟
あまりにも有名な写真集だけど、やはりどうしても7冊の中には入れざるを得ません。愛妻・陽子さんとの新婚旅行でのスナップを収めた自費出版写真集「センチメンタルな旅」と、陽子さんが病に倒れ亡くなるまでの数ヶ月間を収めた「冬の旅」。その2つの作品を再構成した写真集です。
3年前、僕はFacebookに以下の投稿をしました。
アラーキーの「冬の旅」を見返す度に、アラーキーの魂の叫びが聞こえる。
そして、写真と添えられてる文章の関係をいつも考えさせられる。写真と文章がお互いを邪魔をしないで、寄り添う感じなんだ。
いつも、そんなことを考えながらページをめくってると、とてつもない悲しみに支配されるんだ。まるで、アラーキーの魂の叫びが自分に乗り移ったような。陽子さんの危篤を知って駆けつけた、こぶしの花を持ったアラーキーの影が階段に写ったこの写真がとても悲しく、息が詰まる。
僕が持ってる中で、多く見返してるベストスリーにはいる写真集である。
その僕の投稿にある若い女性写真家がコメントをくれました。
彼女「わたしも好きです。猫のチロちゃんの存在感。」
僕「最後のページはチロちゃんがバルコニーの雪の中で、前につんのめってる写真なんだよね。とてもユーモラスで少し救われた気がするんだ。チロちゃんの存在が大きいよね〜。」
彼女「うんうんわかります!!最後の写真で救われます。この後に出た写真集の、チロちゃんももういなくなったバルコニーは ただだだ悲しかったです ><
でもいないことを写真で現せるってすごいですね!」
先日、このコメントをくれた彼女は若くしてこの世を去りました。つくづく、命の儚さを感じます。彼女のことはこの写真集を見る度に思い出すだすことでしょう。
写真は僕が2011年に撮影したマレーシアでの猫と少女。この猫も少女も今はどうしているのかなぁ。
では、また。
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