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漫画家相原コージさんのうつ病体験記第3弾「うつ病になってマンガが描けなくなりました退院編」‼️

本(うつ病になってマンガが描けなくなりました 退院編)

漫画家相原コージさんのうつ病体験記の第3弾です。最初の「発病篇」2冊目の「入院編」に続くもので、今回が完結編となります。1冊目の発病に至った経過や2冊目の病院での入院生活の様子は、漫画ゆえのリアルな描写で、うつ病に苦しむ筆者の心境がひしひしと伝わってきました。

ただ入院編の最後では回復の兆しが出ていたので、今回の「退院編」も発売と同時に買い求めました。今回は300ページ超と前2作が100ページ台だったので、倍近いページ数になります。それでも漫画なので、休憩を挟みながらも1~2時間程度で読むことができました。
以下ネタバレになるので読みたくなければ、ここで一旦ストップして下さい。

結論から言うと、症状も治って退院することができましたが、やはりうつ病は再発のリスクがあり、筆者もそうなった可能性が高いということで完結しています。確かにうつ病は脳のトラブルであり、治療すること、つまり病気を治すことは可能な訳ですが、ただし再発のリスクがある。

退院する際に筆者は担当の精神科医から、しばらくは嫌なことはしない、好きなことをやる、そうして徐々に脳を実社会に慣らしていくことが必要だと説明を受けます。筆者もそれを理解して、しばらくは負担がない生活を送るようにします。勿論仕事のことは考えないよう努めることにしました。

それでもギャグ漫画家としてアイデアを考えようとしますが、アイデアが浮かばない。そうした悩みを担当医に言うと
「うつ病は治ったと思っても、残り滓(かす)みたいなものがある。」「うつ病という傷でカサブタができた時に、アイデアがないと悩むのは、そうしたカサブタをガリガリと引っかくようなものです。」と言われてしまいます。まだまだ脳と心が実生活に慣れていない、戻っていないという意味なのです。

その後仕事のことは考えずに1カ月が経ち、再び机に向かいますが、以前と同じくアイデアが出ずに漫画が描けなくなり、月に1度の通院でそうした経過を後任の担当医に話すと、うつ再発の可能性が高いと診断されます。

精神疾患での再発のリスク、糖尿病など生活習慣病での完治の困難さなど、そうした病気とはいかに共存しながら生きていくか、病気が暴走しないようになだめながら生きていく。悲観的になるのではなく、そうした冷静で穏やかな対応が、必要になってくるのではと思います。これはうつ病に限らない、あらゆる疾患に対する心の持ち方、心の在り様ではないかと改めて感じました。

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