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学校では教えてくれないシリーズ ~お金の話③~

※この記事は高校3年生向けに実際に行っていた授業の一部抜粋です。

授業実施当時の制度のため、ご利用の際は今一度、居住地域の最新の情報を調べてください。

また、高校生向けに嚙み砕いた表現を用いています。語弊が生じる可能性大。

シリーズお金の概要

・(20年前に比べて)少ない収入でも貯金したい/自分のために使いたい

→支出を減らして手元に残るお金を増やす(①)

・税金も節約するためには?(②)

・お金が尽きそうなときにどこに頼ればいいのか(③)←今回

今回はブラック企業で精神を病み、ホワイト企業に再就職したと思ったらコロナ後遺症で仕事を辞めたまさおが、仕事を長期間休んだとき・辞めたときに取った行動を紹介します。

仕事を休んだとき

傷病手当金申請

<対象>

・病気やケガで規定日数以上休んだ

・医師が休むべきと判断した(=診断書が用意できる)

・休み中の給与が支払われない(会社独自の傷病手当等がない)

※対象条件の詳細は、「保険証」の「保険者名称(保険者名)」のHPで確認してください。

多くの場合が保険証の下の方に「全国健康保険協会」「○○県協同保険組合」「○○共済」などと書かれているかと思います。画像赤枠部分↓

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詳細を調べたい場合は「(保険証記載の保険者名称) 傷病手当」で検索。

<申請方法>企業によって手順は異なりますが、①申請書類の対象箇所に記載し、②医師にも記入してもらい、③企業担当者に提出する場合が多いです。

<申請書類>企業担当者から渡されなければ、ホームページから申請書類をダウンロードすることも可能です。

例:全国健康保険協会の申請書ダウンロードページ

  私学共済の申請書ダウンロードページ  など

休業補償給付(労災)

<対象>

・休む理由の病気やケガの原因が業務・通勤によるもの

・病気やケガで規定日数以上休んだ

・医師が休むべきと判断した(=診断書が用意できる)

病気=新型コロナウイルスの職場感染およびその後遺症なども労災認定される場合があります。

<申請方法>最寄りの労働基準監督署に相談が確実

ブラック企業の担当者「うちは労災入ってないから」と無下にされることもあります(ありました)が、ケガや病気が業務中・通勤中が原因である場合は最寄りの労基署に相談してみてください。

でも上司のパワハラ・セクハラが原因の精神障害で休んでたら、そんな余裕ないよね……。事前知識大事……。


傷病手当金も休業補償給付金も、支給額は休む前3ヶ月の平均給与の6割程度で計算されます。

そのため、休職直前は病気等で休みがち(欠勤・無給)だったけどできるときは出勤して給与は出ていた(けどフル出勤月より月給が少ない)という場合は、その少ない月で計算されるため支給額が減ります。

(逆に、休む直前にめちゃくちゃ残業してその計算対象月の給与が高くなっていれば……。…残業代が出る企業にいたら…………。)※ブラック企業出身です。

仕事を辞めたとき/休職期間が終わったとき

とにかくやることが多いです。

市役所福祉課(住宅確保給付金)

→市役所保険年金課(税金減額・免除申請相談)(※対象者は保険証切替も)

→ハローワーク(休業補償給付金)

→年金事務所(国民年金減額相談 ※市役所でできる場合もあり+障害年金)

→福祉協議会事務所(緊急小口資金+生活保護)

と、担当部署・施設も複数個所にわたり(※)、すべて自分から動かなければお金がもらえません。

※働いていた期間、元の職場の加入組合、現在の自身の状況などにより異なります。

以下は制度利用順に記載しています。

利用の際は必ず居住地域の最新情報を調べ、担当部署と思われる市役所等の代表番号に問い合わせて、自分自身が対象となり得るか、必要なものが何かを事前に確認してください。

住宅確保給付金(家賃補助制度)

<対象条件一部>

・一人暮らしの場合、貯金額が50万円以下である

・復職の意思がある(=ハローワークに行ける) など

その他条件は「住宅確保給付金 (居住地域の市町村)」で検索。

<申請方法>

退職したことが分かる書類(退職時に会社から渡される【雇用保険被保険者証】など)を持って、市役所福祉課または市役所とは別の場所にある(かもしれない)地域の福祉事務所に行き「住宅確保給付金の申請に来ました」と相談。

<給付までのおおまかな流れ>

書類記載、状況伝達(条件に当てはまるか)

→規定回数以上の求職活動を実施(月に4回程度、職業相談や就職面接など)

→求職活動実施しました報告書の作成(いつ、ハローワークの誰が担当したか(印鑑をもらう)を記入する)

→給付額が大家・管理会社に振り込まれ、自分が支払う家賃分が安くなる

(現金手渡しで家賃支払の場合は、自分の口座に振り込まれる)

<注意事項>

・ハローワークに行く前に地域の住宅確保給付金担当部署に相談すること

・再就職の意思を見せておくこと

※再就職の意思・能力がない場合は生活保護(※後述)

失業給付金

<対象>

・雇用保険に加入していた

・また働ける気力体力スキルがある

【補足】用語イメージ。あくまでイメージです。

・失業手当→働ける気力体力スキルがある人向けに求職活動費として給付されるお金

・ハロワからの傷病手当金(※前述の保険組合からの傷病手当金とは別)→失業手当申請したものの、働ける気力体力スキルがない場合に支給されるお金。失業手当申請してないとそもそもこっちに進めない(担当者に要確認)。

医師の証明が必要。

<申請方法>

退職時に会社から渡された【雇用保険被保険者証】を持って、ハローワークへ。

※退職時に精神障害・身体障害やコロナ後遺症があり、退職前に欠勤日が多い場合は医師の証明が必要な場合があります。

※健康保険・労災保険からの「傷病手当金(または休業補償給付金)」との重複受給は不可。

<給付までのおおまかな流れ>

①講習会・説明会に参加する(コロナで中止の場合あり)

②月に1~2回求職活動(ハローワーク来所や電話で職業相談など)

※早期復職で再就職手当ももらえるかも。

国民年金・国民健康保険の減免申請

<申請方法>

市役所または年金事務所で相談

<注意事項>

・国民年金:無職の際に支払額の減額・免除はできますが、将来老後にもらえる年金が少なくなります

お金に余裕ができた際(再就職後)に、支払っていない期間の年金を後納することもできます。

・国民健康保険:傷病手当金受給中の場合は申請が通らないことも。

傷病手当金受給終了後、遡って「この期間の保険料払えないから減らしてほしい」と相談することもできます。(要調査)

お金が足りないときは

緊急小口資金
総合支援資金

いずれも給付金(返さなくていいお金)ではなく、貸付金(将来的に返す必要があるお金)ですが、無利子で返済時期に再就職の目途が立っていない場合は返済を待ってもらえる場合があります。

<申請方法>

福祉協議会(福祉事務所)に相談し、生活困窮の状態を説明し、どちらを(あるいはどちらも)申請するか担当者と相談。

<貸付までの流れ>

申請書類(借用書・申立書)の記入

借用書:何万円借りて、いつ月額or一括で返すねという約束の書類

申立書:まじこれだけお金に困ってて、持病で働けないからほんと助けてほしい、って助けて…!という熱意を込めて作文のように書いたら通りやすい(福祉協議会担当者談)

と言われたので、長文書きました。

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1週間で20万振り込まれてました。

それでもなお足りず、再就職もできない場合

生活保護
障害年金

上記は人により対象条件が大きく異なります。

生活保護→最寄りの福祉協議会・福祉事務所

障害年金→年金事務所、病院

に「申請します」と断言のうえ相談してください。

ただし、前述の傷病手当金の方がもらえる額が多い場合があります。

※コロナ禍で条件緩和されましたが「申請しようと思っている」状態だと、他の方法(就職など)を提案されることがあったそうです。

さらにケガ・病気で退職後、再就職はまだできないけど、生活保護・障害年金申請も通らなかった場合

医療費控除

<対象>

1年間の医療費が10万円を超えた世帯(自分だけじゃなく家族分も含めてOK)または、手取り200万円の場合は所得5%以上を医療費に使った世帯。

<申請方法>

確定申告(毎年2月頃)の時に、税務署やe-Tax、各自治体の確定申告特設会場などで書類を作成し提出

以上でシリーズお金の授業書き起こしは終了です。

就職先がブラック企業っぽいなと感じたら編の書き起こしは未定。

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