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リアルタイムレンダリングに救われた話

タイトルのとおりです。突発的に書きたくなったので書きなぐります。読みづらい点あるかと思いますが、お許しください。

この記事を三行で

* コロナによりデジハリに通学できなくなる
* プリレンダーだとレンダリング時間が長すぎて課題制作が完了しない
* リアルタイムレンダリングでレンダリング時間を短縮させ、課題完成。

前提① デジハリで3DCGを学んでいる

現在(2021-03-28)デジタルハリウッド(大学ではなく社会人専門学校の方)の3DCGデザイナーコースに通っています。1年間かよって3DCG制作のスキルを身につけるのが目的です。

前提② デジハリでは動画作成課題がある

デジハリのカリキュラムでは、入学から3ヶ月後に3DCG動画作成の課題が出され、半年後に提出を求められます。提出しないと卒業できません。留年もないので、提出できなかった時点で卒業資格はなくなります。授業は引き続き最後まで受けられます。

自分は↓のものを作って提出しました。

この課題をやっているときにリアルタイムレンダリングに救われました。その話をします。

全ての元凶:コロナ

デジハリは通常であれば学校に通って学校のパソコンで課題作品を作成します。

3DCGを作成する場合、求められるパソコンのスペックが高かったり3DCG作成のためのソフトが高くて個人で買えない場合もあり、生徒が個人で制作環境を用意するのは大変です。そのため、学校が用意したパソコンで3DCG作品を作成するのが通常のやり方です。

しかし、コロナのため通学に制限がかかってしまいました。

全く通学できないというわけではないのですが、従来どおり学校に来て制作…というのがなかなか難しい状態になりました。以前までは、課題提出直前は学校に泊まり込んで制作…という人も多かったそうなのですが、今年はそもそも泊まり込み禁止になってしまいました。

課題制作したいけど、そもそも制作環境が十分でない…そんな状態になってました。

レンダリング時間が長すぎる問題

3DCG動画制作において、問題になりやすいのがレンダリング時間です。(レンダリングがなにか、という点は今回は省略させてもらいます。)

ここでは映像業界で使われるプリレンダー(レイトレーシング)を基本としたレンダラーを想定しています。(Arnold や V-rayなど)(細かいツッコミあると思いますが許してくださいお願いしますなんでもはしません)

色んな条件に左右されるので一概には言えませんが、1フレームレンダリングするのに10分で終われば良い方、凝ったシーンをレンダリングする場合、下手したら1フレーム数時間かかるなんてこともあります。

1フレームをレンダリングするのに平均30分かかるとし、30FPS(課題の制限上30FPSにする必要がある)の動画を10秒作る場合、

30(m)×60(s/m)×30(f/s)×10(s)=540000(s)

54000秒=9000分=150時間かかってしまいます。

絶対ムリやん

いい作品を作りたい場合、レンダリングをやり直したい場合もあります。そもそも、レンダリングするまで納得の行く映像になっているのかわからないのです。

もちろん、シーンを分割したり、一部だけレンダリングするなどの工夫によって手戻りの工数をへらすことはできます。それでもレンダリングのやり直しには数時間は必要でしょう。

もう一度言う。絶対ムリやん。

コロナ前では、生徒は学校に泊まり込み、複数台のパソコンで複数シーンを並行してレンダリングするなどして制作していたそうです。

最後にもう一回だけ言わせて。個人の環境じゃ絶対ムリだって!!!

救世主Unreal Engine 4

以上のような状況だったので、私は制作着手前にプリレンダーを捨てました。

代わりに採用したのがUnreal Engine 4でした。リアルタイムレンダリングを採用したわけです。

結論から言うとこの選択が全てを解決してくれました。

無料で使用することができ、自宅のパソコンでも問題なく動作し、映像品質も良かったです。モデルとテクスチャ作ってポンポン入れていくだけでそれなりのシーンができていきました。

もちろん、プリレンダーに比べたらできないことも多いですが…。そのあたりはリアルタイムレンダリングが不得意そうな部分を使わない映像にすることでカバーしました。

リアルタイムレンダリングなので、当然レンダリング時間≒現実の時間です。今回制作した動画は56秒ありますが、56秒でレンダリング完了しました。

素晴らしい

このレンダリング時間の短さなので、課題提出直前まで動画を推敲することができました。

…という割にはあんまり動画の出来はよくないんですが。

しかし、プリレンダーを使っていたらそもそも動画が完成しなかったという事態もありえたので、それに比べればこの選択は間違っていなかったと思います。

社会人は時間がない

自分が通っているクラスは社会人向けであり、授業は日曜日にあります。授業をこなしつつ課題を制作するのは時間的になかなか大変です。

働きながら3DCG習得を1年で…というのはかなり厳しい、というのが正直な感想です。

今回の課題でも、レンダリングが間に合わず、悔しい思いをしている方も多かったです。

一方で、仕事を辞めて100%の時間を3DCG制作に傾ける方もおり、短い通学可能時間を利用して素晴らしい作品を仕上げてきていました。

仕事を続けながら3DCGスキルを身に着けようというのがそもそも都合が良すぎるのか?仕事を辞めて100%3DCG制作に時間を使うべきか?しかしそもそも仕事を辞められるのか?

今回の課題は色んなことを考えさせられました。

技術力の向上。リアルタイムレンダリングという救い

上記の問いに明確な答えは出せませんが、一番現実的な解決法を提示してくれたのがリアルタイムレンダリングでした。

映像業界だとまだまだリアルタイムレンダリングの採用は少ないと思います。ArnoldやV-rayやRedShiftの世界だと思います。なので、これらを学ぶことには意義があると思います。

ただ…やはりこれらは学習機会を得るハードルが高いです。

専門学校に通ったり、レンダリング用のパソコンを用意したり…など、やりたくてもできないという人は多いんじゃないかと思います。

それに比べるとリアルタイムレンダリングはハードルが低いと感じます。全員ができるとまでは言いませんが、かなり間口は広いのではないでしょうか。

リアルタイムレンダリングとプリレンダーの絶対的な優劣を決めつける気はないです念の為。

今回の課題で、プリレンダーしか選択肢がなかった場合、私は課題を完成させることができず、デジハリを卒業できない状態になってたと思います。始める前から詰み状態です。

リアルタイムレンダリングはこのような困難な状況を救ってくれました。技術の進歩により、これまでできなかったことができるようになるというのは本当に素晴らしいことなのだなというのを実感しました。

そういうところに感謝したいです。

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