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休日について

休日の過ごし方という、社会人の命題が一つあると思う。
学生時代よりは自由で、学生時代より孤独な気がする休日。
なんのために使うかと言われると、人と会うために、疲れを癒すために、愛する誰かのために、生活を豊かにするために、いろいろあるが、私はもっぱら疲れを癒すために休日を使っている。
お昼頃にのそのそおき、ぼーっとしながら家事を済まして、ご飯を食べて、ぼーっとして、一日が終わる。誰かから見たら無駄な一日。ただ、私にとってはこの時間のために働いている、といっても過言ではない。
成長意欲がないわけではない。もっとスキルアップしたいし、一人で生きていけるようにもっと人生を充実させていきたい。ただ、私はどうしても怠惰な休日に行き着いてしまう。学生の頃は、その事実にやきもきしたものだが、今はもう慣れたもので、怠惰な休日を楽しんでいる。
思い起こせば、今までかなりやらなければいけないことに振り回されてきた人生だった。勉強とか部活とか、おしゃれとか。積極的にやりたいわけではないけれど、やった方がきっと人生がうまくいくこと。人よりも苦手なそれらをこつこつ努力して人並みにしていく。そうすると、どうなるか。自分のしたいことがわからなくなるのだ。普通にこだわりすぎて、自分の好きには気づけない。人の目線ばかり気にして、自分の目線は気にしたことがなかった。
一人暮らしをはじめて、はじめて誰かの視線がない空間を手に入れて、初めてやったことは床で寝転ぶこと。誰も怒る人はいない。音を出して、スマホをいじること。もうイヤホンは必要ない。好きな有名人の写真を飾ること。もう誰も私の好きなものを非難しない。そしてそれを積み重ねた結果、できたのが怠惰な休日だった。
罪悪感が1ミリもないといったら嘘になるけれど、それを上回るくらい今の休日が本当に幸せだと感じる。私の気分ですべての予定を決めていいだなんて、こんな幸せなことがあっていいのだろうか。
こんな幸せを充分に満喫したら、次は私の家族がほしい。そして、この怠惰な休日を振り返って思うのだ。なんて幸せな日だったんだろうって。

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