第五福竜丸展示館に行ってきた。
東京都江東区夢の島公園にある「第五福竜丸展示館」へ行ってきました。
第五福竜丸は、1954年3月1日にアメリカマーシャル諸島のビキニ環礁で行われた水爆実験に巻き込まれ、放射性降下物である「死の灰」を浴びて被害を受けた木造のマグロ漁船です。
マグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員が放射能を浴び、そのうちの一人が入院し半年後には放射能症で亡くなり、原水爆禁止運動が全国に拡大しました。
しかし、注目されなかったのは、第五福竜丸だけでなく、約1000隻もの漁船が被ばくしていたという事実です。
こちらの展示館では、マグロ漁船の被ばく事故に関する真実を、付属品や関係資料とともに解説しています。
展示館では、船体を取り巻くように展示が配置されており、訪れた人々に被災の実態や核実験の影響を伝えるため、より具体的な情報として体感できます。
船の被災状況を表す資料や実物だけでなく、当時の報道や核実験の歴史、マグロ漁業や世界各地の核実験被害など、多岐にわたる展示内容があります。
展示館は、放射能汚染の現状や被害の広がりといった話題に加えて、被ばくについての正確な情報や原水爆禁止運動への対策についても触れます。
さらに、この問題の影響や浴びた放射能の影響についても掘り下げています。マグロ漁船の被ばく事故について詳しく知りたい方は必見です。
第五福竜丸は、事件後に練習船として使われ、その後廃船処分に。
しかし夢の島に放置されていた第五福竜丸船体の保存の動きが、1968年に始まりました。
その後保存運動は成功し、船体は70年に地上に固定され、1976年には東京都立第五福竜丸展示館が開館しました。
第五福竜丸展示館は、第五福竜丸事件という一つの出来事から原水禁運動が広まっていったように、第五福竜丸という限定された対象にとどまらない展示内容を持っていました。
その展示内容は、日本だけでなく、核による被害という点で共通する全世界に目を向け、核のない平和な世界を目指すことを意図としていました。
この展示館は、来館者をその方向に向かわせようとするものであり、平和を願う人々にとっての博物館と言えるでしょう。
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