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着物の仕立て方に込められた意味

今、中谷比佐子さんの書いた「きもの解体新書」という本を少しずつ読んでいます。その中で、要約すると「日本の先人は蚕に対する感謝の気持ちを、8枚のパーツを縫い合わせて1ミリも布を捨てないという仕立て方で表している」と。

超有名仏デザイナーに着物の形を変えるデザインをある商社が依頼し、結果、「日本を冒涜することになるので私にはできない」と断られたエピソードにも触れてあり、興味深いものでした。

今現在、どれだけの日本人が、この1ミリも布を捨てない仕立て方を知っているんだろうなぁと。残り布を内揚げに入れるのを嫌ったり、袖丈を直す時に縫い込まず躊躇なく切り落としたり。

今は、良くも悪くも、自分しか着ない着物になっていている感じがしますね。良いものをお仕立てする時は、先の誰か(娘とか孫とか)が着るかも、ということを少し頭に入れてお仕立てをお願いすると良いかもね。そう依頼されると、和裁技能士としては嬉しいものです。たぶん、お蚕さんも。

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