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しつけ糸、取るの面倒じゃない?

投げ銭スタイルなので、最後まで読めます。
参考になると嬉しいです。

きものが仕立て上がってくると、必ず付いているしつけ糸。
このしつけ糸は、着る前に全部取らないといけないのね。
めちゃくちゃ面倒じゃない?
和裁技能士の私でも、着る前に取るのにうんざりするのですよ。
(本当なら、グシ縫いも取るべきしつけ糸だそうですが、その話はまた今度。)

取らないといけないのに、なぜかけてるのよ!と思う方いるわよね。
それはですね、新品だから、しつけ糸がかけてあるのではなくて
仕立ての過程で、しつけ糸をかける必要があるから。
しつけ糸をかけないと形が整えられなかったりするからであって
出来上がったら不要のものなのです。
仕立ての過程で、しつけ糸がなくても形が整えられる浴衣や
木綿や綿麻の長着の袖に、私はしつけ糸をかけません。

先日読んだある本には、なるほどなという説明がありました。

しつけ糸は、家を建てる時組む丸太の足場と似ていると。
家ができれば丸太は取り外すのと同じで
しつけ糸も着物が出来上がれば取るべきものなのだと。
ただし、取らなくても良いしつけ糸もあって
長襦袢の袖や裾など
外から見えない部分は取らなくても良いと書かれてありました。
私も、長襦袢のしつけ糸は取らないし
取らないと習っているので細かくかけています。

話がそれましたが新しい着物にかかっているしつけ糸
取りやすくしたいなぁと思って玉留めしないでかけること15年以上。
もっと簡単に取れないものかと考えた結果
輪っかを作って、それを引っ張ると、スッと取れるようにしてみました。

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まだ実験的ではありますが
ハサミがなくても、輪っかを引っ張ればしつけ糸がとれるので
少しは煩わしさが軽減されると思います。

お客様にお見せしている図はこれです。
矢印のところの輪っかを引っ張ってねと伝えています。
輪っかを引っ張ると、すーっとしつけ糸が取れるようにしてあります。
和裁技能士からすると、面倒なのかも知れないけれど
慣れれば多分大丈夫。
私が考えたことなので、和裁としてはダメなやり方かも知れないし
見た目の仕上がりが嫌というお客様もいるかも知れないので
しばらくは、実験的に続けてみようと思います。

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