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高齢者向けのサービスって?(本文中の質問への解答によって1万円の賞金あり)

株式会社CuboRex代表の寺嶋です。今回農業分野でCuboRexの事業をしていて高齢者むけ製品やサービスについて気づいたことについてほかぼっていく。

弊社開発品である雪上電動モビリティ CuBoardや猫車電動化キット E-Cat kitを他者に提案させて頂いた際に頻繁によく言われるのが”高齢者にいいよね”だ。この記事を読んでいる人の中にはこういった表現が使われる状況に心当たりがある人もいるだろう。しかし実態として高齢者の方(特に60歳以上)で導入初期にEcatの導入を決意して利用してくれている実例は特殊例(寺嶋の元雇用主や母の雇用主)を除いて存在しない。高齢者にも営業をしたが先に懸念となることを多くあげられたり、「いいね」とはいってくれつつも一切意思決定をしてくれないことが多かった。

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過去の製品のデモの様子

そういった際にまず考えるのが

① 高齢者を起点にして普及した製品やサービスって何があるんだろうか?

② ①に付随してその後、若者や中年世代に普及した製品やサービスはあるのだろうか?

※本文内において高齢者と近い性質をもつものとして障害者が存在するが本文では障害者について言及しない

①高齢者を普及の起点とした製品やサービス

私自身これまで直接的に高齢者むけの製品やサービスを生み出し、実装した経験がなく(高齢者向けにいいよねといわれることはあったが)、周辺にもそういった事業に直接的にかかわった人に心当たりがないため、想像上で表していく。なお本項目において介護系の製品については除外する。これは元々介護ホームで努めていた介護士である寺嶋の父から下記のことを教えてもらったからである。

「介護用品の多くは要介護者のためではなく、介護者者が要介護者の介護活動におけるリスクや労力を少なくするために存在し、直接的には介護用品の多くは介護者のために存在するからだ」

・デイサービス

要介護を必要とする人が受けることができる日帰りのサービス。サービスを受けるものはサービスセンターからの送迎を受け、デイサービスセンターにて食事や入浴、その他レクリエーションなどのサービスを受けることができる。寺嶋の祖母もデイサービスのお世話になっていた。

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・シニアカー

高齢者向けに開発された電動で動く走行車両である。既存の電動バイクと違う大きなポイントは歩道上でも時速6km以下であれば走行できるところである。

・補聴器

補聴器は、難聴で届きにくくなった音の情報を伝え、コミュニケーションや日常生活を助けるもの。

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その他皆さんでも思いついたものがあれば下記のスプレッドシートに書きこんでいってみてほしい。

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1EtjciwFrV1ZoSEr_4HuY_pgaBxFrxB8SPRRu7znAaH4/edit?usp=sharing

こうやって事例をみていくと高齢者向けの製品やサービスは働き世代であったときの機能を補うようなものが多いように感じる。(デイサービスも外に行く機会を補ったり、他者との交流を補ったりなど)また障害者を除外した場合には、高齢者起点の製品やサービスは他の世代に普及しておらず、高齢者のみが製品やサービスの受けてになっているようにみえる。

② ①に付随してその後、若者や中年世代に普及した製品やサービスはあるのだろうか?

高齢者を起点にして高齢者に普及した製品やサービスが存在することはわかった。しかし高齢者から現役や若手世代に普及した製品やサービスはあるのだろうか?

・ワタミの宅食(2021年2月15日追記)

ワタミの宅食というものが存在する。こちらは高齢者の個人宅むけのお弁当宅配サービスである。会社のHPを確認すると2002年に高齢者向けのサービスとして発足していることが記載されている。似たようなサービスとして法人向け弁当宅配サービスの玉子屋がある。私も大田区で勤めていた時代によく利用させて頂いた。

https://www.watami-takushoku.co.jp/contents/history?fbclid=IwAR3bzMQKoR9oL0PZFV_QRChPoP2xfXcZnuFM4UPiy-6K3Ft2vpvqocBbj9Y

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こちらのサービスだが2020年9月のリリースにおいて高齢者層だけでなく新型コロナの影響で学校の休校やリモートワーク化が進んだ子育て家庭向けに事業範囲を拡大していることが記載されている。

・リバースモゲージ

リバースモーゲージとは、自宅を担保にそこに住み続けながら融資を受けるシニア層向けのローンです。
ローンの一種ですが、一般的なローンとは返済方法が異なります。
例として、住宅ローンとリバースモーゲージを比較すると、自宅を抵当に入れて融資を受けるまでは同じです。
しかし、最初にまとまった融資を受け、毎月元本と利息を返済する住宅ローンに対し、リバースモーゲージは融資枠内で定期的または一括で融資を受け、元本の返済は死亡後または契約期間終了後に担保不動産の売却代金で返済、または相続人による手もと資金での一括返済となり、存命中または契約期間中は毎月利息のみの返済となります。
月々の返済が利息のみで負担が少なく、契約後も自宅に住み続けられるのが特徴です。

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弊社の協力者の奥さんが(市役所の職員)生活保護の担当をしており、家をもっているけどお金がない人むけにリバースモゲージをすすめているとのこと。現在年齢とは関係のないプランを提供しているとのことである。

・杖

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こうやって考えて見た場合に私自身現時点でこの事例にあたる内容を少雨数しか見つけることができなかった。逆のパターンは現在はいくらでもあるにもかかわらずだ。近年のインターンネットや情報機器、計算機器などは全て若者やビジネス層から普及しているといえる。(弊社のEcatも若者(20代~40代)で最初普及し、その後口コミや利用しているシーンをみた高齢農家さんが興味をもって普及が進んだ)

ちなみに本件を日本や海外で普及している、フリマアプリ、メルカリ創業者の一人であり、株式会社CuboRexのエンジェル投資家である富島さんにきいてみたが、心あたりがないとのことだ。メルカリを普及させた際も主婦層が初期のメインターゲットだったとのこと。

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もし高齢者(70歳以上)をサービス普及の起点とし若者や現役(10代~50代)に普及が広がったサービスがあった場合には教えてほしい。こちらの事例をおしえてくれた場合には先行3名に限り寺嶋から1万円の賞金を進呈する。その際はかならずサービス普及の過程を示せる根拠が必要である。(例:製品やサービスの事業開発者の証言など)

まとめ

こうやってみていくとこれまでの前例だと高齢者向けの製品を作り実装していく際には現状ある情報だと、高齢者に特化し、その後他の世代には普及しないことを前提に製品やサービスを作っていく必要があるように感じる。

こういった高齢者から若者や現役にむけて必要とする製品やサービスが出にくい理由としては下記のことが考えられる。

・高齢者が必要とする製品やサービスの多くが過去の健康(活動的)だった時代の機能や体験を補うためのものだから
・残りの人生を考えた際に継続的に利用する期間が短く、投資の効果が見込みづらいから
・好奇心をみたすより安心・安全が重要な価値だから
・完了しているから(変動できる余地がないか)

また「高齢者にいいよね」と言われた場合にも実態は高齢者が初期の実装にすることだけを考えるのではなく「高齢者に”も”普及の可能性がある」程度に考えたほうがよさそうだ。

高齢者のインターネットにおける消費傾向についてはこちらに参考記事があるので興味がある人はよんでみてほしい。

今後にむけて

今後も事例の調査を継続していく。さらに高齢者向けサービスの事業開発や営業にかかわっている人たちのヒアリングもしていきたい。






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