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和食で身体のSOSに応える

日本の”食“と”健康”に向き合う Vol.1

”食”に関する本を100冊読んでまとめる企画の1冊目は
「子どものアトピーは、「和食」で良くなる」


本のひとこと紹介


 医学博士の永田良隆さんとふたば幼稚園の園長の小崎孝子さんが
 それぞれの現場から長年子ども達の健康を見つめてきた体験談が
 まとめられた本。

日本の”食”と”健康”に対する考え方

基本はご飯とお味噌汁。伝統和食で心も体も元気に

 除去食療法ではアトピーを克服できない

  鶏卵系・牛乳系・大豆類の除去食療法は続かない問題。
  そして成長期に必要なタンパク源が不足する問題。

  これらの問題を解決すべく
  筆者の永田良隆さんが研修で群馬に行かれた際に
  肉料理中心の食事を見て、箸が進まなくなったことから

  アトピーは魚を使った和食が解決策?
  アトピーは乳幼児から発せられた一種のSOS?
  ではないかという2つの仮説が生まれた。 
  
 急激な食の変化がもたらした健康被害
  昭和30年〜昭和50年の
  洋風食の食材の国民1人あたりの摂取量(厚生労働省の資料より)は、
  昭和30年を1とすると昭和50年には
  卵と油が約4倍
  肉類が約5倍
  乳製品が約7倍 となっている。

  20年間で急激に洋風化した食品が増えたことで
  日本人の体質では処理できず、
  処理しきれなかったものが”お荷物”となり様々な健康被害が出てくる。

  その代表例がアレルギー疾患や生活習慣病と言われ今でも増え続けている

子どもの体のSOSは「経済一点張りの社会のあり方」


  エネルギー源・食料・マスコミ(情報源)のいずれかを掌握できれば
  その国を支配できると言われている現代で
  日本は戦争に負けたことで「植民地化」ならぬ「食民地化」され
  食料の大半をアメリカの農作物に依存することに。

  パンを給食で出すことにより
  米の消費は減り米農家は成り立たなくなる。
  
  欧米人と体質が異なる日本人が洋風化された食事を続けることで
  どんな健康被害が出るか。
  その回答が現代病と言われる”生活習慣病とアレルギー疾患の多発”と考えている。

健康な体の状態とは


n-3(オメガ3)系=和食系
 α−リノレン酸
 野菜と海藻類および亜麻仁油、えごま油などの摂取量が反映されるEPA
 魚類摂取量が反映されるDHA

n-6(オメガ6)系=洋風食系
 リノール酸
 市販のサラダ油や食用油などの植物油の摂取量が反映される
 肉類と鶏卵の摂取量が反映される

  和食療法で、n-6/n-3の値を3以下に維持することができればアレルギー反応を抑制することができ解決に向かう

牛乳・油・卵・主食のおはなし


 「牛乳を飲まないと、しっかり成長しない」は誤解
 
 牛乳を飲まなくても、カルシウム不足にはならない
 
 植物油の取り過ぎが、アレルギー防衛力を低下させる
 
 食べ物の処理能力は個人によって違う!それが分かれば食べ過ぎは防げる

 卵をアミノ酸まで処理することは、そう簡単ではない

 卵を食べるなら、量より質を大切にする

 噛まなくなった日本人

 米や植物油は、アレルギー検査では見つからない

子どもの主治医は、お母さん


 脳の発達やDNAに悪影響を及ぼさない食を

 最終ゴールは、親子での”自己管理”

 ”残さず食べなさい”はダメ!個人差を考えた食生活を
 
 安全管理の行政指導は、本当に子ども達にためになっているのか
  

1児のママそして農家の娘である私の視点からみた考察


この本で一番印象に残ったのは「経済一点張りの社会のあり方」というフレーズ。

10年以上前、休みの日に1人ボーッとテレビを見ていると
「日本の食料自給率が低い」という言葉が入ってきた。
いつもなら聞き流して終わっていたのに
農家の娘として小さい頃から間近で日本の農業を見てきた私には
違和感が残る言葉だった。

お肉やお魚、牛乳、卵はスーパに買いに行くにしても
お米やお野菜は父や母、祖母が真心を込めてを食す。

食卓に並ぶ半分以上のものが国産。
なのに「日本の食糧自給率が低い」とは?

早速、インターネットで検索。
すると簡単に理由がわかった。
「日本の食糧自給率が低い」はカロリーベースで計算されているためだった。

日本の農家の大半が米や野菜を作る。
お米は100gあたり168kcal
野菜は100gあたり23.2kcal(ほうれん草)
お肉は100gあたり298kcal(牛肉)

お肉に比べるとお米や野菜のカロリーが低いのは容易にわかること。

この本に書かれている「経済一点張りの社会のあり方」。
この1つのフレーズで
一見、何のつながりもなさそうに見える
「日本の食糧自給率」と「アトピーやアレルギーなどの健康問題」が
繋がる。

自分と子どもや家族の健康を守るには情報と知識が必要と
再認識された本であった。

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