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Souer+実験公演 『kikimimi vol.0』 実験の記録🐰

Souer+実験公演『kikimimi vol.0』
ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!

本当にたくさん収穫のあった公演で
忘れずに言葉にしておきたい!と思って
備忘録のような、あとがきのような
個人的な記録をここに残しておこうと思います📝

・・・・・・

公演中はわたしも一緒に客席に座りながら
役者の会話に聞き耳を立てたり、
お客様の様子をチラ見したり…
すごかった、混乱とワクワクが共存していた。!笑
その様子が最高に幸せでした!
実験に付き合ってくださって、
本当にありがとうございました!

改めて、今回の上演形態って
同じ空間で同時に異なる会話が繰り広げられるので
お客様からしたら
相当ストレスのかかる観劇環境だよな、と…!
(こっちの会話を聞いてたのに
あっちから聞こえてきた会話に意識が持ってかれて
さっきの話のつづき聞き逃したー!もー!とか…)

でも、実際の生活における聞き耳の瞬間も
圧倒的にもどかしいことの方が多くて
わ~なんか気になる話してる~と思って
こそっと聞き耳たてていても
別テーブルの笑い声にかき消されたり
別のことをふと考えてしまった瞬間に
もう見失ってしまったり。

聞こえてくる情報はいつでも「断片的」で
だからこそ、
どんな関係性なんだろう、
どんなことで悩んでるんだろう、
なんでそんなに笑ってるんだろうとか!
ぐわ~っと想像しちゃうんですよね!
それが楽しくて、
わたしは日々聞き耳を立ててしまう!

同じ時間、同じ空間に偶然集まった人たちが
各々自分勝手に過ごしている
なんでもない場所なのに、
人生の一部分をほんのちょっと切り取ったような
あの空間に、わたしはドラマを感じるんだな~と
自分の好きを再認識できた時間でもありました。
(こんなところでも聞き耳たてたい!と、
いろんなシチュエーションをアンケートに
書いてくれた方も!一緒に楽しんでくれて
うれしいな~ありがとうございます◎) 

・・・・・・

今回は『喫茶ナタリー』という
東京のどこか、奥まった路地に
ひっそりと佇む架空の喫茶店を舞台に
2組のテーブルに聞き耳をたてていただきました。

これはお客様には伝わらなくていい、
あくまでも私達の中で設定していたルールですが、
全く関係ないようで実は2組とも

・相性
・これだけは許せない/譲れないこと

という共通項のなかで会話をしていました。
その他にも、「音」にまつわるこんな対比も…

面接チーム
→こんなに会話はずんだの初めて。
 この店をはじめて以来、初めてエアコンの音を
 意識しなかった!(意訳)

女子会チーム
→ドライブデート中、
 相手が全然会話盛り上げてくれないから、
 わたしが少しでも黙ると、「ゴォー」って
 走行音だけが響き渡るんだよね(意訳)

とかね!(これについては、
面接チームは「しゃべりすぎる男」
女子会チームは「しゃべらなすぎる男」について
喋ってる?と、お茶会の中で質問してくれた方が
いらっしゃって嬉しい&面白かった!
なるほどそういう対比にも見えたのか!)

・・・・・・

普段、公演直後に作品を見ている間
「何を感じたのか」「何を考えたのか」
面と向かってお話しできる機会ってほぼないので
お茶会の時間もめちゃくちゃ有意義でした。

どっちも聞こうとして
結局なにも聞けなかったって方。
(わかる…!わかります…!)と思いながら
その歯がゆい表情ごと、嬉しかったです。

頑張って聞こうとするから20分でも
普段の観劇よりずっと大変!って方もいれば
何時間でも聴いてられる…って方もいたり

誰が役者で誰がお客さんなのか分からなかった!
もしかしたら今同じテーブルに座っているあの人も
役者なんじゃ…!?話始めたりするんだろうか…!?
って、その分からなさを楽しんでくださる方も
いらっしゃったり

あえて役者に背中を向ける角度で席に着き
耳から入ってくる情報だけで
公演を楽しむ方もいれば

「立っても座ってもOK、自由に動いてよし!」
という、この企画の特徴をフルに活用して
空間を縦横無尽に移動しながら
自分の興味の赴くまま好きなタイミングで
好きな会話を聞きに行く方も!

嬉しかった~
それぞれの感想、それぞれの観劇スタイル、
全部うれしかった!

・・・・・・

あ!あとこれはどうしても残しておきたい
時間帯や環境構成の違いにおける
お客様の観劇スタイルの変化についてなのですが!


お客さんを待つ中島店長


◇2公演目(17:00)はまだ外が明るくて
役者の顔もお客さんの顔もよく見える環境。
実際に席を立って2つのテーブルを行き来しながら
楽しんでくださるお客様が複数いらっしゃったんだけど

17:00回の印象としては、
壁になって、
壁からこっそりと見聞きしているかんじ!

自身の存在や気配をぐっとかくしてるというか…!
その他にも
今回、お客様の入場同線を限定しつつ、
閉塞感を出さないように
(あとなんとなくおしゃれに感じたから)
可動式の扉を人ひとり通れる隙間をあけて
設置してたんです。


すきま


そしたら本番中、その隙間から
テーブルを眺めるお客さんも現れて!
わー!そんなふうに自由に空間を使って
楽しんでくれるのね!と大興奮していました

◇3公演目(19:00)日が落ちて、
照明も蛍光灯からスポットライトに変更。
役者の座るテーブルに光をあつめて
お客様の座るスペースはぐっと暗く。


前日の実験準備の様子


そしたら公演中、意外や意外!
どの回よりも
お客様が自由に動き回ってくれてて!

昼の公演は2公演とも、来場のお客様は
カフェの別テーブルに座るお客さんとして
空間に存在してくださってたんだけど

夜公演のお客様は自由に動ける「影」みたいで!
ハリーポッターの透明マントつけてる?ってくらい
まるで誰にも見えていない存在みたいに
自由にのぞき込んだり、
近づいたり、笑ったり、
気になる会話の方へ小走りで向かったり!

もちろんお客様自身がそういう空気を
作ってくださったのが一番の要因なんだけど
空間における明暗も
その自由さを生み出したのかな~なんて考えて
えー!めっちゃおもろい!と
にやにやしていました。

・・・・・・

今回の実験公演においては
こんなメッセージを感じてほしいとか
こんなふうに受け取ってほしいとか
そういう想いは一切なくて

「こんなことしたら何を感じるだろう?」
「どんな会話や音に意識をむけるんだろう?」
「こんな状況でどう過ごしてくれるんだろう?」
わたしの興味と疑問とワクワクを詰め込みました。

万人受けする作品の作り方でないことは
承知の上で、それでも
楽しかったことも、つまんなかったことも
引っかかったことも、ぜんぶひっくるめて
ひとと話したくなる 言葉があふれてくるような
作品になればいいなって思っていました。

いつかどこかのタイミングでできたらいいなと
ずっと温めていた『kikimimi』!

いつか稽古場としてだけじゃなく
公演で使いたいな〜と思っていた
「ゆいぽーと 工房・ギャラリー」という空間!
(旗揚げ公演からずっと応援してくれている
ゆいぽーと佐藤さん大・大・大感謝)

公演が決まってからの約2ヶ月間
わたしの素材集めに付き合ってくれた
なかよしたち!

短い稽古期間の中で、
わたしのふんわりとしたアイデアから
魅力的な会話とラブリーなキャラクターを
生み出してくれた、さいこうの実験チーム!
(野田もちゃこも凪ちゃんも、
中島店長も君島くんも、
今回生まれたキャラクターたち
みんな幸せでいてほしい、LOVE)

一緒に空間を構成してくださったあなた!

ありがとうございました!!

やっぱ好きな人たちと作品つくるのって
最高にたのしいね あ〜しあわせ!


LOVEたち

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