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国際女性デーに思いをよせて

3月8日の国際女性デーに先駆けて、「国際女性デー記念シンポジウム」にオンライン参加しました。国連のSDGsの目標にもジェンダー平等の実現が掲げられていますが、「ジェンダーギャップ指数2021」による日本の評価は156カ国中120位と、世界的にも遅れをとっています。日本の働き方改革やジェンダー平等の取り組みは、きれいな言葉が並んでいるだけで、目指すべき将来像がないように思います。

正直なところ、私も女性研究者として、研究室でも家庭でも、居心地の悪さを感じています。最初に研究に携わったアメリカの大学では、異なるバックグラウンドの研究者がそれぞれのアイデアと専門知識を出し合って、一つの大きなプロジェクトを作り上げていく経験をしました。性別や年齢に関係なく、対等で風通しの良いチームでした。日本に帰ってからも、アメリカの大学との共同研究を通じて、ジェンダーギャップを感じることなく研究をしていました。心地よいワークライフバランスも学びました。

コロナ感染症の拡大に伴い、国際交流の機会が減り、日本の研究室でのみ過ごしていると、途端にやりにくさを感じるようになりました。日々のマイクロアグレッションが積み重なって、女性は男性のアドバイスに従ってサポートすべき、という空気を感じるようになりました。このような症状を「インポスター症候群」というそうです。

家庭でも、家事、育児(働く女性は保育園の確保も含めて)、休園・休校対応、介護の負担など、日本人の女性を苦しめる偏見や差別は根強いです。リモートワークでも片付けや食事の用意などモヤモヤすることは少なくありません。もちろん、男性も、苦しんでいたり、違和感を感じていることがあると思います。

国際女性デーの機会に、多様性やジェンダー平等について、女性だからというのではなく、全ての人が声をあげ、耳を傾けてもらえるような雰囲気を築いていけると良いな、と思います。職場の雰囲気、仕事と家庭のバランス、夫婦の対等な関係性など、一人ひとりが言葉にすることで、初めて気づきと相互理解が生まれると考えています。年齢や性別を超えて、日本の超高齢化社会を協力して支え合っていけますように。

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