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新NISAは、毎月投資と一括投資どちらが有利?(ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏/Morning satellite Dec.2023)

新NISAが始まろうとしている中、毎月投資と一括投資がどちらが有利かという論争が絶えないことから、今回は過去を検証した結果を紹介する。

2000年の1月から毎月1万円積み立て投資した場合と1年分の120,000円を1月に一括投資した場合、2023年11月末時点の資産額を計算した。

TOPIX、S&P 500、MSCI全世界株式の3指数を比較したところ、いずれの場合も1月一括投資の方が資産額が多くなった。あくまでも、24年前に、新NISAが始まっていたらと言う一例に過ぎない。

そのため、2001年以降も、各年ごとに投資し始めた場合の全てを計算した。2000年〜2023年で一括投資のタイミングが24回あり、そのうち20回前後で1月一括投資の方が、有利という結果となった。

勝率で言うと、TOPIX:79%、S&P500:92%、全世界株式:88%と、1月一括投資の圧勝となった。

なぜ、このような結果になったか?
単純に、3指数とも24年間間基本的に右肩上がりだったことから、1月にまとめて投資した方がその後の株価上昇の恩恵をより多く受け取ることが出来た。

注意点として、1月一括投資は100%の勝率ではなかったという点である。3指数とも悪かった年は、2002年と2008年の2回あり、いずれの年も株価がほぼ一貫して下落基調だった。

つまり、1月にまとめて投資すると、その全額が株価下落の影響受けたのに対し、毎月投資の場合は、年の後半に投資した分、傷が浅かった。まさに、ドルコスト平均法がうまくいった数少ない例と言える。

今後を見据えると、株価指数は長期的には上昇すると考えられるため、1月の一括投資が有利だと考えているが、2024年は不安定な状況続いているため、金利や景気動向を見て、判断すべきだろう。

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