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必要なサンプルサイズを有意水準・検定力・効果量から求めるにはどうする?

必要なサンプルサイズを求めるには、以下の手順に従います。

  1. 有意水準、検定力、効果量を決定する。たとえば、有意水準をα=0.05、検定力を1-β=0.8、効果量をd=0.5とする。

  2. 決定した有意水準、検定力、効果量を使って、サンプルサイズ計算の式を解く。たとえば、二群の平均値の差を検定する場合のサンプルサイズの式は以下の通りです。

n = 2*(Zα/2 + Zβ)^2 * σ^2 / d^2

ここで、nは必要なサンプルサイズ、Zα/2は有意水準に対応するZ値の上側信頼限界、Zβは検定力に対応するZ値の下側信頼限界、σは母集団の標準偏差、dは効果量です。

  1. 式に値を代入して、必要なサンプルサイズを求めます。たとえば、上記の例で標準偏差がσ=10である場合、以下のようになります。

n = 2*(1.96 + 0.84)^2 * 10^2 / 0.5^2 ≈ 64

したがって、この場合、必要なサンプルサイズは約64となります。

注意点としては、母集団の標準偏差が未知である場合や、検定の種類や仮説によって式が異なる場合がありますので、正確なサンプルサイズ計算には注意が必要です。また、計算に用いる統計ソフトウェアやツールによって計算式や手順が異なる場合もありますので、適切なツールを使用することが重要です。


Z値の上側信頼限界は1.96,Zβは検定力に対応するZ値の下側信頼限界は0.84なのはなぜですか?どこから導き出しましたか?

Z値の上側信頼限界が1.96、下側信頼限界が-1.96であるのは、標準正規分布表によって求められた値です。標準正規分布表は、標準正規分布の左側の面積(確率)を与える表であり、標準正規分布の平均が0、標準偏差が1である場合に適用されます。

Z値の上側信頼限界は、有意水準αを考慮した信頼区間の上側境界として用いられます。有意水準α=0.05の場合、標準正規分布表において両側の合計面積が0.05になる点のZ値は1.96です。

一方、検定力に対応するZ値の下側信頼限界は、標準正規分布表を用いて求められた値ではありません。検定力を表すパラメータβは、標本サイズや効果量、有意水準によって変化するため、検定力に対応するZ値は一般に求めることができません。代わりに、統計ソフトウェアや専用のテーブルを用いて、検定力を満たすために必要なサンプルサイズを求めることが一般的です。

ただし、一部の研究者は、検定力の推定に基づいて検定力に対応するZ値を求める手法を提案しています。この手法では、検定力をβとし、対応する標準正規分布のZ値をZβとして、以下の式を用いてZβを求めます。

Zβ = (Z1-α + Z1-β) / 2

ここで、Z1-αは有意水準αに対応するZ値、Z1-βは検定力βに対応するZ値です。この式を用いる場合は、有意水準や検定力に応じて適切なZ値を選択する必要があります。たとえば、有意水準α=0.05、検定力β=0.8の場合、Z1-α=1.96、Z1-β=0.84となり、Zβ≈1.4となります。


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