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「会社」を離れた日常の何気ない一言にこそ、”好き”のヒントがある

自分は何に興味があって、何がやりたいのか。“好き”を仕事に、とはよく言うが、自分でそれを理解している人は実は少ないように思う。だからこそ、就職活動の時には何となくで企業を選んでしまい、いざ働き始めてあれこれと違和感を覚えたりする。最強のソルジャー文句「今はやりたいことがないので会社に入って見つけたいです」と人間力を武器に仕事を勝ち取る人も中にはいるが、それが通用するのは新卒までだ。まっさらな状態で社会人になった人も、全員が仕事を通じて”好き”の領域を作り、それを広げていくことになる。

私自身も学生の頃にはそういった領域が全くなく、社会人になってからもしばらく白紙の状態が続いていた。「会社」という枠組みに収まってしまうと、自分は何がしたいのかがどうも見えづらくなってしまう。たとえ先輩や上司に何かを褒められたとしても、それを上回るストレスに日々苛まれ、評価を素直に受け取ることができなくなる。また、変に自分はできると過信しても、それは極めて狭い世界での話で、別の会社では全く役に立たないという事態が往往にして起こる。こうした中でも”好き”を見つけ出すことはできるが、それには相応の経験が必要になり、途中で諦め、我慢の道を選ぶ人が出てくる。

私は、幸い、銀行を辞めてから自分なりの軸をすぐに明確にすることができた。何がきっかけだったかと振り返ると、友人が発した日常の何気ない一言であった気がする。「文章上手いね」と言われたことで、それまでは自分でそんなことを思ったこともなかったが、確かに学生の時には作文・小論文が高評価で、銀行の時にも上司にレポートを褒められたな、などと連想することができた。思い返せば、何でもそうだ。「歌上手いね」と誰かに言われて初めて気づく。あぁ、自分は歌が上手いんだ、そういえば音楽の歌のテストも良かったな、と。今ではすっかり喉が酒焼けして昔ほど声も出なくなってしまったが、出来るなら歌を仕事にするのも悪くない。

と冗談はさておき、”好き”の領域が一つ出来れば広げ方は無限大だ。その一つがなかなか難しく、日本人の多くは何かの枠から抜け出せないのだが。自分で自分を理解するには限界がある。それは当たり前の話だ。ただ、当たり前すぎて忘れてしまう。“好き”を仕事にするなんて夢物語だと放棄してしまう。なんともったいないことか。目の前の仕事にもやっとしている人は、今一度「会社」外の小さな声に耳を傾けると、何かヒントが見えてくるかもしれない。暗号資産・ブロックチェーン業界は、私の”好き”が重なり、広げる上でこれ以上ない、そんな素晴らしい業界だ。

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