エストニア滞在日記 ギャザ合宿
11日目。昨日久々に飲んだせいか、朝から若干の二日酔い。頭痛い。
この日は、不動産の契約がまだまとまらず、次の臨時滞在先への移動だった。朝から大慌てで荷造りし、大きなトランクと先日買ったアコースティックギターを持って外へ。健友もエレキギターを片手に、孝暁も日本から持ってきたサイレントバイオリンを背負い、前を歩く僕ら三人の姿を見た哲誠が「いや、ワールドツアー感満載やで(笑)」とたまらず一言。家も見つからないし、いっそのことエストニアで路上バンドでも始めようか。
そんな他愛もない話をしながら旧市街地の宿に到着した。部屋の準備ができるまであと1時間はかかると言われ、荷物を置いて辺りの観光に出かけることになった。クセの強いおじさんギタリストを横目に「剣真もあとで路上ライブしてや」と冗談を言われながら、坂を登ったところにある教会まで歩いた。
教会の中を見終わって外に出ると、哲誠が何やらニヤニヤした顔で入り口の前に立っていた。「何してんの?」と聞くと、その隣には哲誠と同じポーズをしてお金を乞う老婆の姿があった。いや、あかんて(笑)
そのまま高台の展望スポットに行き、旧市街地の街並みをみんなで一望した。旅行ガイドブックやテレビ特集などでもよく目にする風景だ。現実に見るものはやはり美しい。その時の天候や空気、音などが身体全体に働きかけてくる。エストニアを一番に感じた瞬間だった。カメラで写真を撮り終え近くをうろうろしていると、ここでも変な楽器演奏者に絡まれ、よくわからない歌を日本語で歌ってもらった。ヨーロッパの観光地はどこも愉快な音楽家たちでいっぱいだ。
そのままレンガの坂道を降りて観光広場に戻ると、真昼間から外でビールを飲む観光客で溢れかえっていた。みんな酒飲むくらいしかすることないんだな、と思ったが、僕らも特にすることはなく近くのアイリッシュパブでビールを飲んで一息ついた。Sakuビール。現地ブランドであっさりしていて美味い。ビール一杯と軽いおつまみを味わった後は、宿に戻ってチェックインを済ませた。
午後はみんなでトラムに乗って、昨日話したマジックザギャザリングを売っているカードショップに行った。強面のガチオタ店員が店内の机でギャザ対戦しているような店で最初少し怖かった。よくわからないまま四人分のデッキセットを買い、宿に戻って早速プレイを開始した。最初はみんなでYoutubeのルール解説を見ていたが、実際にやってみないとわからないということで、終わりの見えない戦いが始まった。その後の記憶はない。みんなすぐにルールを覚えて気づけば夜の9時を回っていた。
みんな夜もいらないぐらいに没頭していたが、僕がお願いして、北欧のローカルバーガー屋さんHesburgerでみんなで食事をとった。味はマクドと似通っていて普通。強いて違いを言うなら客の柄がすこぶる悪かった。エストニア版、田舎のコンビニでたむろするヤンキーという感じである。
お腹を満たした後は、宿に戻って再びギャザに励んだ。結局深夜の2時くらいまで飽きることなく戦い続けた。わざわざエストニアまで来て何やってんの僕ら、と全員がなりながらもかなり楽しかった。宿の渋さといい、まさにギャザ合宿。
就寝。
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