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派遣登録者の時給の上げ方について

派遣といっても登録型のスタッフィング(主に事務方)系と、技術・専門職系の派遣会社の正社員の大きな違いがあり、今回は前者の話。仕事を積極的に進めて、時給を上げたい人に向けて「コツ」を伝えたいと思う。女性に多いが、「あの社員より私は出来ている!」という感情過多な言い方になると、「苦情」になりやすいので、正攻法をベースに「提案」に変えよう。


適切に計画的に

前提として、企業に単価請求をあげる交渉をするのは、営業の仕事(定期面談している担当者)なので、あなたが単価を上げるにふさわしい働きをしていることを、担当との面談時に具体的に数値的に伝える必要がある。
たまに企業から時給上げてくれることもあるが、あなたの働きぶりが想像以上にいいことや、景気がいい時期、物価高に対応など、レアケースだと思った方がいい。そして企業の担当者と具体的な交渉してはいけない。あなたが雇用されているのは派遣会社だ。指揮系統は派遣法のルールで決まっている。

私こんなにやってるのに!と現場で文句を垂れ流すのは、社会人としてあまりよろしくない。また営業が無能だから!と言っても、相手も人なので言い方がある。請求単価を上げると、営業も自分の業績においてプラスなので、基本はお互いWin-Winのストーリーになっている。交渉を面倒に思う営業にどう動いてもらうか、考えた方がいい。順序を守って時給を上げる交渉を適切にしよう。

業務を一通り覚えて多少余裕が出てきた段階で、営業に「意欲的に今後も業務を行っていきたい」旨を一言入れて、以下をそれとなく聞いてみよう。
単価改定のタイミングがいつで、それに合わせていつまでにあなたが上記の報告ができるとよいか(企業の予算タイミングもある)②これまでの単価改定のスパンや伸びしろ(履歴があれば、どういうスキルの人がどのくらいの時給をもらっていたか)も聞けたら聞いておこう。②が明確であれば、それに向けて、ギャップを埋めることや、やれることを増やしていこう。

そのタイミングを目標に、以下の例の数字や根拠を準備しよう。
例1)仕事の業務範囲や量(数値)を増やしていて、こなしている。
例2)当初の契約範囲の業務はちゃんとできているが、ここにも困っていそうで、私が対応できるので(根拠)、任せてもらえるなら業務範囲を改定して、できたら単価も上げてほしい。

そもそも、時給を上げられない(企業が払う労働対価に動きがない=原資が無い)、無期雇用も無し、営業が無能・交渉力無し、であれば、何の展望が無い会社であなたを大安売りして働かなくてもよいので、次に行こう!

時給以上に働く→単価アップに繋げる

基本、時給以上に働く必要はない、とも思うが、時給アップを念頭に入れている場合は、少し改めたほうがいい。
例えば、30円時給が上がったとしよう、一日8時間働いて240円、一か月20日勤務で4,800円、1年260日として年間57,600円上がるということだ。その価値を出せているから、時給が上がるのであって、今の時給以上に自分がその価値を出せているのかを、振り返ってみよう。

逆に、言われたことしかしません、という態度なら、数年で契約終了になりやすいと思った方がいい。人手不足は今後大きく叫ばれるので、この記事も的外れになるかもしれないが、肌感としてスタッフィングでよく働く人は、1割くらい。賃金交渉も適切にするし、決裂したらだいたいは転職か、時給の良い別の現場へ行く。

そもそも昇給が見込めない現場もある

決裂もいろいろあるが、そもそも時給が一定以上上げられない(企業が出す予算に上限がある)現場もある。そういうところで、時給を上げろといっても勝算はないので、早めにあなたの希望が叶う現場に転職することをお勧めする。給料を上げるモチベーションがあるなら、そこに長居する必要はない。

もっと言えば業務範囲や量が決まっていて、時給を上げるための材料が全くない(ヒマな)現場もある。そういうところは、人を入れ替えても困らず「だれでもいい」のだ。暇すぎて困るなら、早く次を検討したほうがいいし、よっぽどのスキルマッチングが無いと昇給しにくい。
いずれにせよ、ヒマな現場でよかったーと思うか、ヤバい現場と思うかどうかは、あなた次第だ。

交渉スキルを身につける

主に派遣に登録するスタッフィング(事務系か、未経験者から就業可能な業務)の人は、様々な事情はあるにせよ、とりあえず近くでできる仕事をする感覚な人が多い。小さい子供のいる人、転勤で付いてきた人、実家に居続けて問題のない人=稼ぎが全部自分のお小遣いな人が多いので、自分のキャリアについて無頓着だったり、わたしなんて…な人(自分の人生に許可が必要と思っている人)が多い。
社会に出て間もない若年層はそういう時期が多少あるかもしれないが、もっとスキルが磨ける場所や給与アップが見込める場所に行く・交渉するメンタリティがないと、30代半ばになって何もキャリアがない、キャリアが考えられない人が出来上がる。そうなると、世間の正社員歴が長い人との様々なギャップが生まれ、転職においてにっちもさっちもいかないことになりかねない。

いずれにせよ、働きぶりが一定以上でも、何も交渉せずままだと、時給が10円も上がらないまま年月が過ぎていないだろうか
もしそうなっているなら、物価も高騰しているので「あなたの能力と時間の大安売りをしてる状態」になっていることに気づこう。
一人一人の交渉や流動が、全体の底上げとなる大きな波にもなっていくのだ。

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