見出し画像

牡蠣オイル漬けで、1週間コーディネート

このごろスーパーへ行くと、牡蠣と目が合う。牡蠣の目がどこにあるのかは不明だが、またまた大パックに手が伸びた。
作るものは、もう決まっている。きつね色にカラリと揚がった衣の中から、じゅわっ。条件反射的に「カキフライ」を連想して、アツアツをほお張るシーンまで想像する。
しかし、残念ながら理想の味に仕上げる技術がない。
 
なので、ここ数年は手軽な「オイル漬け」を一度に作って使い回す。今風に言えば、''つくおき"? 私には"保存食"という表現がしっくり来る。

さて、牡蠣を水洗いして水分を拭き取ったら、フッ素加工のフライパンで水分を飛ばすように両面を焼く。オイスターソースと日本酒各少量を加えて絡め、煮詰める。ニンニク・鷹の爪・ローリエと、たっぷりのオイルで漬け込む。所要時間15分ほど。

画像1

1〜2日ほどで食べごろに。

そのまま、ちょっと盛り付けを工夫すると前菜の一品に。

ある日は、冬に甘味を増すホウレン草に合わせてみる。
「冬の味覚の名コンビは彩りもご馳走」

画像2


思い付いて、豆腐にそぉっと、のせてみる。
「山椒を挽けば、気の利いた小鉢に」

画像3


最近、気が付いたのだが、料理にカメラ(スマホ)を向けると、頭の中にキャッチコピーが湧いてくる。これは長年、ファッション誌中毒として生きてきたせいなのか、前職(ライター)の後遺症なのか…。出来・不出来は別にして。

昨日のひとりランチは、茹でたてパスタにオイルとともに絡めて。
「超特急レベルのアーリオ・オーリオ」(タイトル写真)
 
ところで、ファッション誌の「1週間コーディネート」と保存食の展開レシピって、よく似ている。
「少ない予算で、無駄なく使い切り、活かし切りましょう」っていうセオリーが通じていて、どちらも私の心に響く。(これを人は"貧乏性"と呼ぶ?)
 
ポイントは、基本アイテム(=牡蠣のオイル漬け)は、ニュートラルカラーで、ベーシックなデザインを選ぶこと(=味付け控えめに、菜種油やグレープシードオイルなど香りの個性が強くないオイルを選ぶこと)。
そうすれば、(和洋中の)さまざまなコーディネートに着回しが可能。

ああ、思い出した。

制服のなかった高校時代、ファッション誌の1週間コーディネートを読み込み、買い足すべきアイテムをせっせと手帳に書き込んだ。
いざ買い物に出かけると、インパクトの強い柄のスカートに一目惚れ。結局、週に一度しか着られない服に小遣いを使い果たし、土曜になると「ああ、着る服がない!学校へ行けない」と嘆く、その繰り返しだった。
※まだ完全週休2日制ではなかった。

あれは、ケチャップとかカレー粉とかで、濃い目に味付けちゃった失敗例ね、と今なら笑える。

あの頃「洋服」に向けた情熱を、今は「食材」に!? ちょっと切ないが、毎日の食卓こそファッショナブルに(=彩りよく味わいよく)楽しまなくちゃ。

 週末はちょっと張り切って、牡蠣とホウレン草のグラタンで「心までポカポカにしちゃおうかな」。
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?