脆弱X症候群キャリアーの私とクンダリーニヨガ

私は脆弱X症候群(FSX)の保因者である。
これについて大した事を書くつもりはなく、今日のヨガの後に気がついた事をどこかに記しておきたい、人目に付くどこかに。というだけなのだけど。Twitterで呟ける程度の文字数に収めることもできない、ならこちらで。というわけで書き進める。

脆弱X症候群(ぜいじゃくエックスしょうこうぐん、フラジャイルエックスしょうこうぐん:FXS)は、2006年現在唯一遺伝性であることが確認されている知的障害である。英語ではfragile X syndrome。 -wikipedia

FXSである息子の運

FXSは遺伝子の奇形が要因だ。私は保因者でありそれを受け継ぐ形で息子が知的障害者である。保因者と言うのは発症はしていないが遺伝子の奇形を持っているという事。

そもそもこのFSXの認知は低く、未だに多くの医師がその存在を知らないとも言われている。

息子の発育に関して問題視された時、彼の血液が地元の小児科医によって運良くFSXの検査機関へと送られた。発達障害や知的障害とは全く異なる検査方法である為、検査機関が異なるので通常ならFSXの検査は行われない。この医師の直感の恩恵を受けていなければ、息子の障害の要因も対処法も解明できていなかったか、遅れていたという事。自閉症やADHD辺りのネーミングを付けられていたかもしれないと思うと、複雑な気持ちになる。

今日は発症があり知的障害者として生きる息子の話ではなくて、保因者の私自身の話。

FSX保因者が先天的に抱えている問題

保因者は障害の発症がないため、通常の日常生活を送ることが可能である。私自身、家事子育てヨガ講師を一般的レベルではこなしていると思う。(側から見れば)

しかしこの保因者に健康面での問題が全くないというわけでもない。

まずは50歳以上の男性保因者の35-40%、女性保因者の8-16%にみられる筋肉の衰退による歩行障害、震え、バランス感覚の衰退、そして早死。

女性保因者の20%にみられる、早期卵巣不全そして若年更年期障害。生殖機能不全。

関係性がまだ明らかではないものの他にもまだ問題点となるものがある。慢性的な痛み、高血圧、インポテンス、偏頭痛、行動変化、不安や恐怖などの精神的問題、うつ病、自閉症スペクトラムなど。

医師から聞かされてはいたものの、今まで自分のことにそれほどまで深く追求してこなかったが、FSXに関する本を読んでいた夫の脳内で、これらの問題点と私が結びついたらしい。

FSX保因者である私とヨガ、そしてクンダリーニヨガ

FSX保因者が先天的に抱えるこれらの問題点の中には、確かに幾つもお馴染みの感覚のものがある。私の思春期以降は長期に渡って心の病と戦ってきという認識があり、通常の生活だけで心身ともに疲労してしまうような数十年だった。

現在の状況はというと、これらの問題点(症状)が私に宿るのはクンダリーニヨガを3日以上休み続けている時だけであり、期間が伸びるほどに症状は勢いよく悪化する。

要するにクンダリーニヨガをしている限り、自覚できる範囲ではこれらの症状が出ないのだ。

10年前に出会ったクンダリーニヨガだが、過去数年間ほどクンダリーニヨガに嫌気が刺してハタヨガ(ハタヨガ系列のヨガ諸々)だけを取り組んでいた時期がある。

心の病の闇に引き込まれている時、他のヨガなら少しやってみようか、少し身体を使ってみようか、と思えるのだか、クンダリーニヨガはどうしてもやる気になれない。ハタヨガを行い心身の状態が少し上向きになって初めて、クンダリーニヨガに取り組める力が湧く。力というかそれはもう「覚悟」でしかない。脱出の覚悟。

それだけクンダリーニヨガの効果は高く、人を一瞬でレベルマックスに持っていくことが出来てしまう。心に負担のある状態の人にとっては毒になる場合もあるのだ。

ハタヨガは私とクンダリーニヨガを繋ぐ掛橋として大いに活躍してくれたと思っている。私のように闇が深く重たい場合(ここまで闇が深まったのはFSX保因と直接関係はないと思うが)には、ハタヨガで闇の中に光を取り込み、クンダリーニヨガで闇からの脱出を成功させる。というような方法が自分にとってジェントルなやり方であった。それを踏まえた上でも、私にとってハタヨガはやらないよりはマシなものという位置付けである。

やはり私のような人間にとってはクンダリーニヨガでなくてはいけない理由があるのだろう。ハタヨガを楽しめる人達を羨む気持ちは強くある。できることなら私だってハタヨガで整えられたいのだ。しかしそれが出来ない理由は、私がクンダリーニヨガから偉大な恩恵を与えられてしまっているからなのだろう。

クンダリーニヨガとFSX保因者の私の関係性を改めて考えてみた時に発見した新たな視点

クンダリーニヨガは神経系統を正常に整える、さらに神性に高める、それによってホルモンバランス、リンパ、血液やミネラルの状態までも整えていく。DNAレベルでの正常化やカルマの浄化さえしてしまうものさえある。

FSX保因であるこの体が持つ荷物は、私が認識していた以上に重たいものなのかもしれない。

クンダリーニヨガをやってもやっても思う所へ届かない、しかも3日サボればまた元の鞘だと今まで頭を悩ませていたが、クンダリーニヨガのお陰でFSX保因者が先天的に抱える心理的ハンデや肉体的ハンデというハードルを飛び越え、心身の負担なく日常を通常運行出来ているこの現実を真っ直ぐに受け入れた時、クンダリーニヨガのテクニックの完成度を改めて評価すべきなのではないかと、私の中にまた2つの新たな視点が生まれた。

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