【常識を疑う①】〜睡眠の重要性・その1〜
2022年も終わりを迎えようとしています。
4月に異動してもう9か月が経とうとしていて、ほんとあっという間に感じます。
年々月日の経過を早く感じるようになってきました。
さて、もうかれこれ5年ほど前からでしょうか、高校野球の指導者になったものの、自分の指導は“感覚的指導”であり、理論やスキルが伴っていないと感じ、読書やセミナー受講、さまざまな分野の民間の指導者資格を通して、野球の指導に繋がる理論やスキルを学んできました。
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▲ 【野球の勉強①】〜感覚的指導論〜
しかし、異動してからの9か月、読書はかろうじて続けてはいるものの、以前のように全然セミナーの受講をしていませんでした。
自分自身に新たな刺激のない日々を送っていました。
ある日の職員研修で
そんな中で行われたある日の職員研修(たしか職員のメンタルヘルス講習だったかと思います)で、睡眠に関するある実験のグラフが紹介され、私の目にとまりました。
そのグラフをまずご覧ください。
このグラフは、米ペンシルべニア大学医学部などの研究チームが行った研究で、睡眠時間と脳の働きの関係を表しています。
被験者をさまざまな睡眠時間のグループに分け、経過日数とともに、注意力や集中力がどう変化するかを調べた研究です。
横軸が実験の開始からの時間を、縦軸は注意力や集中力を調べるテストに対する被験者の反応速度を表しています。
6時間睡眠のグループを見ると、時間が経つにつれて脳の働きが衰えているのがわかります。
2週間後には、2日連続で徹夜したグループと同じレベルになっています。
一方、8時間睡眠のグループを見ると、2週間を経過しても脳の働きは問題のないレベルを維持しています。
わずかな睡眠不足が積み重なり、パフォーマンスが大幅に低下してしまう。
この状態を「睡眠負債」と呼ぶそうです。
高校球児の睡眠時間
このグラフを見て、私は「高校球児は果たしてどうなのか?」と考えました。
これを高校野球に当てはめると、毎日6時間睡眠の選手は、8時間睡眠を続ける選手に比べてかなりの反応速度(=パフォーマンス⁈)の低下が起こると考えられます。
この実験ですと2週間後程度までしかわかりませんが、これをまた2週間、さらに2週間と続けていった場合、また同じような反応速度の低下が見られるのでしょうか?
そうすると、6時間睡眠の選手は、2週間練習して技術が上達したとしても、2日間徹夜した人と同じ程度の反応速度(=パフォーマンス⁈)しか出せていないかもしれないということになります。
それにさらに2週間、またさらに2週間と経つと、さらに低下した反応速度(=パフォーマンス⁈)になるかもしれないということです。
果たして高校球児(多くの高校生)は、8時間睡眠がとれているでしょうか?
高校生の生活タイムスケジュール
ざっくりとした理想的な高校生の生活タイムスケジュールを簡単につくってみたら、こうなりました。
この時間で毎日動くことができれば、8時間睡眠を確保することができます。
しかし、多くの高校生は22時に布団に入っていることは少ないでしょう。
実際は、高校球児だとこんな感じじゃないでしょうか?
これだと5時間睡眠になってしまいます。
常識を疑ってみる
以上のことを考えた時に、高校生が理想的な生活タイムスケジュールで過ごし、毎日8時間以上の睡眠時間を確保することはなかなか難しいと思います。
そうした時に、部活の顧問・指導者としてできることを考えると、
しかないと思われます。
その方がパフォーマンスの低下を防げるということです。
一生懸命活動している運動部ほど、朝練をやり、夜遅くまで練習をしているのが一般的だと思いますが、睡眠時間を考えると、このやり方を180°やり方を変える必要が出てくるということです。
ただ、練習をしないで上手くなることはありません。
放課後の短い練習時間をいかに無駄な時間のない内容の濃い練習にできるかが大事になってくると思います。
そこが勝負です。
もちろん選手たちの睡眠に対する意識が高まり、一日24時間の限られた時間を無駄にせず有効に使うことも大事です。
この実験では反応速度を示しているのであって、実際は野球のパフォーマンスにどれだけ影響があるのかはわかりませんし、睡眠時間にも個人差があると思われるので、単純に8時間以上の睡眠をとればいいというわけではないと思いますが、今回のこのデータにはいろいろと考えさせられました。
最後まで読んでいただいた皆さんは、どのように考えますか?
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