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ピクミンと戦争

2ヶ月ほど前、ピクミン3DXを購入した。
普段あまりゲームをしないのだが、CMで目にするピクミンがあまりに可愛らしいので、その魅力にやられて購入に至った次第だ。
かつて自分が小学生だった頃、初代ピクミンが発売され、主題歌の「あいのうた」が世間を賑わせた。だから、プレイ自体は今回が初めてだが、ピクミンを引っこ抜いて投げて戦わせて時にはそのピクミンが食われてしまう、というゲームのシステムは理解していた。

基本的にプレイヤーを操作するゲームは苦手なので、慣れないうちは操作ミスでピクミンを死なせてしまうこともあった。
赤ピクミンを操作ミスで川に投げ入れてしまいそのまま救助できずに死なせてしまったときの絶望感たるや…。

ピクミンは「原生生物」という自分達にとって天敵となる存在をやっつけて、その死骸を糧として増えていく。ステージが進むにつれて強い原生生物も出てくるし、ステージの最後に中ボス戦みたいなのもある。

ある日、ゲームをプレイしていて気付いた。
最初のうちは一匹死んでしまうたびに心を痛めていたのに、ステージが進み敵が強くなるにつれて「ピクミンの命<敵を倒すこと」になっていることに。
そこには、敵を倒すためには多少の犠牲は仕方あるまいと考えている自分がいた。

そしてふと、戦時下における人の思考もこんな風だったのだろうと思った。
人が死んでいくのを悲しむのは初めのうちだけで、やがて勝つための犠牲はやむを得ないと思うようになり「死」に対する感覚が麻痺していく。
私は戦争を体験したことはないが、きっとそうなんじゃないかと、ゲームを通して自分なりにそう結論づけた。

まさかピクミンに、戦争について考えさせられるとは思ってもみなかったが、いい機会を得ることができた。ピクミンに感謝。





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