見出し画像

小雨を歓ぶ大巧寺のあじさいたち

もうすぐ梅雨入りでしょうか。いよいよこの季節です。そう、あ・じ・さ・い、あじさい!

もう、あじさいは、その存在自体が水彩画作品のよう。グラデーションが本当に美しくって、水彩画を愉しむ者としては、この上なくワクワクするモチーフ。

と同時に、(私だけかもしれませんが)あじさいって、難易度高めなモチーフでもあります。「イメージ通りに描けない・涙」と、葛藤を抱えながら、必死に描いています。

さて、こちらの写真が今回のモチーフです。

モチーフ:鎌倉 大巧寺の小道

「おんめさま」で親しまれる大巧寺。安産祈願で有名なお寺で、休日は夫婦や家族連れがよく参拝に来ています。

個人的に大好きなお寺です。というのも、お庭が素敵で。「庭園」というよりは「小さな植物園」というイメージですが、小道の両側にはいつも季節の植物やお花が咲いていて、何よりも、植物に小さな表札がついていて、植物名が分かるんです。気に入った植物を愛でて、ついでに名前を覚えられる、素敵なお庭です。

レッスンのモチーフが大巧寺と知り、いつにもまして気合を入れて描きました。完成版がこちら!!

作品名は「小雨を歓ぶ大巧寺のあじさい」です。


制作過程はこちら。ご興味があればどうぞ~♪

下絵のスケッチ

奥行きを出すため、手前のあじさいは大きく、奥は小さく。

First Wash(ファースト・ウォッシュ)

きゃー!あじさいカラー!!美しい!!いつも思いますが、このまま、この工程でStopして飾りたいものです(笑)あじさい部分を水で濡らしてから、OperaやCompose Blueの絵具をのせていきました。ちなみに曇り空はLavender、地面はLavenderにほんの少しYellow Ocherを混ぜています。

Second Wash(セカンド・ウォッシュ)

続いて、明るい緑を。Permanent YellowとCompose Blueで明るめにしています。First Washの綺麗なグラデーションが・・白い部分が・・とちょっと動揺しながら描いています。

陰の描き込み①

ここから植物の影やあじさいの葉など、暗い色を入れていきます。マットに塗りつぶさないように、細心の注意を払いながら。ただ、これだと、紫陽花がなんか平面的ですよね。ということで、次の工程へ!

陰の描き込み②

今度はあじさいの陰です。あじさいを水で濡らしてから、濃い部分をブルー系の絵具で。前の工程を見比べてみると、だいぶ立体感が出てきました!ついでにお寺の門や人物も。人物は、着物の女性のはずでしたが、肩幅がっちりになっちゃいました・・・

最後に細部の描き込み。木の枝、植物のライン、石畳。最後は、ときめき効果のあるホワイトガッシュであじさいの茎や水滴を追加!

ホワイトガッシュのときめき効果がいい仕事をしています。ときめき効果は持論です(笑)


ところで水彩画を始めて丸3年と少しが経ちました。これまでの成長を振り返るという意味で、過去の水彩画作品を(恥を忍んで)ご紹介します。

3年前の作品(2021年6月)

水彩画を始めて2回目のレッスンだったと思います。訳が分からない感じで描いていて、空のグラデーションが・・・レインボーアイス(笑)

3年前の作品(2021年6月)

これは3回目のレッスンで描いた作品。長谷寺の山門が廃墟と化してしまいました。背景には幽霊っぽい人影がいます。

2年前の作品(2022年6月)

少しだけ、柔らかな筆づかいで描けるようになりました。左下のぼんやりとしたグラデーションがいい感じですが、あと少しだけ、あじさいを増やせばよかったかな。

1年前の作品(2023年6月)

むむ・・なんだか、2年前よりあじさいのクオリティが落ちたような?!まぁ、こういうこともあります。

・・からの今回の作品

なんだか、行ったり来たりしていますが、少しずつ成長できているかと。次はもっとやさしい雰囲気のあじさいを目指します!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?