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怒りという毒
宮部みゆきさんの「名もなき毒」を読んだ。
ミステリーなんだけど、(犯人は)誰だ?誰だ?って感じではなかった。
リタイヤ男性が犬を散歩中にコンビニで紙パックのお茶を買って飲むと青酸カリが混入していて死亡する。
犯人は娘か、恋人か?
たまたま事件に関わることになった主人公が様々なトラブルに巻き込まれながら犯人捜しに貢献する物語。
青酸カリという物質的な毒によって殺された被害者。
自分に内在する怒から生成された毒に犯された犯罪者。
この本はタイトルにもあるように後者の毒に重点がおかれている。
怒りの毒は人間の脳や心臓、身体中をマヒさせる。
何も見えない、聴こえない。
自分は世界中で唯一無二の被害者なのだ。
怒りの解毒剤は誰からも入手できない。
自分の内でしか造り出せないのだから。
名もなき毒、誰もが持っている毒。
#読書感想文
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