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ハグの貯金

今日は、3月末日。
いろんな意味で区切りの日。

4月から転勤が決まっている夫は、これまで勤めた職場に最後の出勤。

昨晩からなぜかテンション高め。
ウキウキとは全く違う。
むしろ、その反対で、おのれを奮い立たせる感じ?!なのだろう。
転勤が決まった途端、肩を落とし、やっぱりか…

ずっと前から、この職場で退職したい!と言っていた夫。

仕事量は半端ないが、やり甲斐を感じ、朝早くから遅くまで、毎日頑張っていた。

若い新人から、年下の上司まで、ややこしい人付き合いの中で、仕事をこなしていくのは大変だったろう。

一家を支えていく身として、踏ん張ってくれていることに感謝しながら、今朝もハグをして送り出した。

夫が事故を起こしてからか、朝、出勤して夜、帰ってくることが当たり前ではないんだと言う事に、改めて気付かされた。
突然、いなくなることなんて、考えたくもないけど。もしそんなことがあったら…
後悔しないように毎日過ごしたい。

そんな思いからだった。

手を振るだけでも充分だけど、見送る時ぐらいはハグしても良いんじゃない?人が見てるわけじゃないし。

最初に朝のハグを提案したのは私。

「そんな面倒くさいこと、朝の忙しい時間に?」

夫は、照れなのか、本心なのかはわからないが、全く乗り気ではなかった。

お試しでハグした時、今でも思い出すとおかしいが、
お互いのお腹が邪魔して、なんとも、力士の取り組み?!のような格好に。

思わず、笑ってしまったのを思い出す。

あれから、10年ぐらい経つのかなぁ。

喧嘩した次の朝は、無し。
私のギックリ腰の時も無し。
寝坊した朝も無し。

毎日、絶対!を決めずになんとなく続いている。

私のヨガと同じペースで。

今では、お互いのお腹も邪魔することなく、私が忘れている時は、夫の方から催促してくれるようになった。

今朝もタイミングが合わず、私が座ったままの格好になったが…

夫の今の思いが伝わる、そんなハグだった。

遠い昔、甘えん坊の末っ子を送り出す時にしていた朝のハグは、いつの頃からか、夫婦二人の心のバロメーターになっている感じがする。

毎日じゃないから良いのかな〜

そんなひとりごとをつぶやきながら、夫の今日を想像してみる。

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