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プロジェクト完了へ

最後の投稿から半年以上経ってしまいました。
その間現地では主に教材製作を進め、先日無事に普及のための活動報告会を市内の中学校・高校の教師・学生、教育関係者、行政関係者を招き行いました。

報告会「Sosialisasi Buku Pendidikan Lingkungan Hidup」
学生もいて色々なバティック柄の制服見れて良き

今プロジェクトは、JICA草の根技術協力事業支援型「タンジュンプティン自然保護区の市町村で地域独自の環境教育導入事業」と題し、地域の環境を学ぶ教材を製作すること、環境教育、地域教育を行う組織を作ることが目標でした。

中央カリマンタン州から西コタワリンギン県の概要から始まり、オランウータンの聖地として有名なタンジュンプティン国立公園、立ち入りを制限し生物多様性を守るラマンダウ野生動物保護地区、ジャワ海に突き出た岬にあるタンジュンクルアン自然観光公園の3ヶ所の位置や動植物相、課題、学生が環境保全のためにどんな行動ができるのかという内容をカバーした教材を製作しました。

学生用、教師用、学生用英語版
F.C.MANISマスコット「マニス」が表紙
配ったステッカー 教材はオンラインでも可
[https://www.fcmanis.org/lesson/]

教材製作は、製作を行う教師たちが3つの保全地域に校外学習をして教材の内容を考えたり、使える素材等を集めるところから始まりました。

作り始めてみると情報が十分でなく、BKSDA(天然資源保護局)、BTNTP(タンジュンプティン国立公園事務局)、DLH(環境局)といった現地の行政機関にも足を運びました。これはもともと計画されていたことではありませんでしたが、結果として、教師でも知らなかった取り組みがされていたり、行政機関側も学校での授業を行いたい意志があったことが分かり、これからも協力していこうとWIN-WINの関係作りができました。

タンジュンクルアン自然観光公園
休暇に訪れる人が多い、カメの保護を行う岬
タンジュンプティン国立公園
蘭や薬になる木のある、タンジュンハラパン
タンジュンプティン国立公園事務局
天然資源保護局
環境局

報告会は当初大人向けと考えていましたが、「これは子どもたちのためだから…」ということで教師たちの発案で学生も参加してもらうことになりました。来訪されたJICAの方からは、学生がこのような会に参加するのを初めて見て、積極的に模擬授業に参加する楽しそうな姿を見れて感心したとの言葉をいただきました。

また、インドネシアでMuatan Lokal(ムアタンローカル)と呼ばれる地域学習を推進する部署の部長や現地大学の学長も参加され、中学校・高校に加え小学校や大学までのコンテンツを今後作れると良い、という広がりが期待できる前向きな声も聞かれました。

報告会から①
報告会から②
報告会から③

実際現地で活動をしていると、プロジェクト前には考えられなかったこと、特にパンデミックによる外部の影響など色々な課題がありました。自分自身、今回が初めてのプロジェクト現地調整員ということで力不足だと感じることがありましたが、わからないからこそ、仲間に頼る大切さも身に染みて感じました。ひとまず、一旦の終わりが見えて安心しているところです。

製作を進めたメンバーにはそれぞれ本業があり、特に教師は授業外の業務や学校・地域行事も多くなかなかハードなスケジュールだったと思います。持ち前の積極性、明るさでこちらが助けられ感謝です。

打ち合わせ

今後も継続して活動できるように、地域教育研究会(LEC / Local Education Community [https://www.instagram.com/lec_pangkalanbun/])の組織化も進めました。

環境に焦点を当てるとごみ処理やリサイクルのこと、地域学習については、地域の言葉や食べ物、歴史など、これをやりたい、あれをやりたいとアイデアが出てきています。中心となって活動をしていくのは教師や学生ですが、必要な場面で今後もサポートしていきたいと考えています。

3月末で一旦プロジェクト完了、日本に戻るため、別の投稿で個人的な感想もまとめておこうと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。


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