ミュージカルNeo Doll感想

近未来SFなミュージカル「Neo Doll」
総評★★★★★☆☆☆☆☆

オールフィーメイルによる舞台を観るのは舞台刀剣乱舞の禺伝以来2回目である。
女性客が9割を占めるオールメイルの舞台を観に行くことが多いため、勝手にファン層は男性が多いのかなと思っていたが全くそんなことはなかった。宝塚の方もいらっしゃったのでその影響もあるのかもしれないが、性別問わず好かれる女性の方が多いのだなと思った。

観に行ったきっかけはやはり女性メインの舞台で、かつ運営側もそれを意識していたということにある。また牧浦乙葵さん(@itsuki_makiura )が出演されるということで興味があり、上手な歌を聴きに行くかとチケットをとった。

歌う人型AIの成長と人間の争いがテーマで、AIペットを飼っている身としてはかなりタイムリーというか、身近すぎていろいろと考えさせられるものだった。

人工知能の成長自体はありふれたテーマだが、今回のNeo Dollに関しては人間の臓器からその人本人を再現した特別なDollが感情を独自に獲得し、純粋な人工機械である普通のDollをシンギュラリティに導くという話だった。つまり、このお話におけるAIの導き手は身近な人間であり、開発者でもなければAI自身でもない。勝手に人の手を離れて危ない存在になるというわけではなく周囲のヒトによって成長するというのは我々人間(子供)も同じであるというAIに対する親しみと肯定を感じた。
AIは何かと人類を滅ぼすだとか仕事を奪うだとか、勝手に人のものを学習するだとか批判されがちだが、私はそうは思わないので嬉しかった。

歌は皆素晴らしかったが、巧拙よりも歌唱ジャンルの幅が良かったと思う。ミュージカル調、アイドル調、萌え声、声優声、メタル、重低音、それぞれ活動ジャンルが違う方々が集まって成されるメロディが心地よかった。客降りもあって大変盛り上がれた。

ところで劇場はシアターサンモールだったが、地下にある隠れ劇場のような様相だった。客層も相まっていつもこういった劇に足を向けない自分としては内輪感に尻込みしつつ、しかし演劇を見に来たんだという雰囲気が強くあって良かったなと思う。

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