見出し画像

【一灯照遇】No.53 社員教育の5大条件

新年、明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。

年始は熊本に帰省しておりました。結婚式を挙げた熊本城内の加藤神社に初詣。2人の娘が生まれた報告をさせていただきました。

今年は寅年。十干十二支で言うと、「壬寅(みずのえとら)」だそうです。この壬寅という年は、「新しく立ち上がる」「生まれたものが成長する」といった縁起の良さを表しているそうです。

ぜひとも成長の年にしたいものです。

さて、新しい年を迎えるにあたって、これまでの総括のようなことを書いてみようと思います。

私が様々なお客様や教育担当の方と関わっていく中で、少しづつですが、教育を成功させるために必要な要素が見えてきました。業態や規模にもよりますが、だいたい社員数が200名くらいまでの企業の社員教育を考える時に、成功に必要な5つの条件が浮かび上がってきました。

1.トップの介入
2.上層部から実施
3.優秀な人・期待する人を
4.システム化
5.3年・3割

です。

1.トップの介入
特に弊社の訓練は、その会社のトップ層に愛されているように思います。社長や幹部が静岡の学校での訓練を経験しているので、私たちの考え方や訓練の内容を深く理解していただいている。そして、社員を派遣するときは、派遣前の社長との面談で動機付けを行い、終了後は社長との報告面談。

そこでは、「初めはイヤでしたけど、管理職は全員活かせるべき」や「社長が日々仰っていることがよく理解できました」などの言葉が出るそうです。そうやって徐々にベクトルが一致していく。
成功している会社は、誰よりもトップが教育熱心です。

2.上層部から実施
1でも書きましたが、教育や研修は上層部から始めるべきです。新人や若手のみ実施しても、「上の人はできてない」と感じてしまったり、共通体験がないので、意識の断絶が起きてしまいます。

働き方改革もあり、長期間・長時間の合宿研修は無理、というのであれば、管理職層は静岡で、一般社員は講師派遣で、という方針でご利用いただいているお客様もいらっしゃいます。
単純でわかりやすい率先垂範の最たる例です。

3.優秀な人・期待する人を
弊社のような厳しい訓練は、「この社員はイマイチなので、性根を叩き直してやってください」と言われることがよくありますが、これは費用対効果の面であまりよくありません。

派遣をするなら、当たり前ですが、優秀な人・期待する人にコストをかけるべきです。「全員機会平等に」という声もありますが、仕事というのは厳しい世界。他との競争なくては前進はない。「平等」という耳触りの良い言葉の下、組織がぬるま湯に浸かってしまう恐れもあります。

優秀な人はぬるま湯の中でも勝手に成長するでしょうが、そんな人はせいぜいい全体の2割でしょう。後れをとってしまう社員は、その教育を受けた人が引き上げてあげる方が、組織的にもプラスになります。

4.システム化
社内制度としてきっちり方針を決めて運用する。【この役職にはこの研修】【入社後〇年でこの研修】【この部門にはコレ】など、あらかじめレールを敷設しておくと、お金と時間が節約でき、成長路線に乗ります。

5.3年・3割
一人の意識を変えるにはさほど時間はかかりませんが、教育訓練によって組織全体の変化を実感するには3年はかかる、というのが様々な方とのヒアリングを通して得た実感です。これを1つのスパンとして教育の目標と計画を作成されることをお勧めします。

それに加え、3年間で社員の3割が教育を受けている状況が作れれば、効果はさらに加速します。当然3割は優秀な、期待されている人たちです。


1,2,3は企業としては当然の、理にかなった投資行為だと思います。優秀な人、期待しているからこそ上に行き、役職がついているのですから、そこに資金を投入するのはリターン(会社への貢献)におけるリスクも少ない、非常に堅実な投資です。

新人全員に研修を行うのは、新人は、「ホントに優秀かどうかはわからないけど、入社の時点では全員将来を期待する人」だからです。学歴が優秀さをある程度は担保してくれますが、これはお金を出す立場からするとリスクは大きくなります。実務能力はゼロに等しく、すぐにやめるかもしれないし、もしかすると学歴の割にそんなに優秀ではないかもしれない。

そんなことを考えると、教育に力を入れるためには新人でも中途でも、採用での見極めが一番大事になってくるし、そうなると採用へのトップの関わりも非常に重要になってくる。

トップが直接採用に関わり、説明会や面接で方針や方向性を熱をもって伝え、同時に教育制度についても細かに説明する。
特に弊社のように若者からは敬遠される研修を実施するのであれば、「なぜ管理者養成学校なのか」を社長の想いと共にお話をされる社長もいらっしゃいます。

ぶっちゃけその時点で志望人数はガタと減りますが、質がかなり絞られるようです。採用と教育のミスマッチが起きにくくなったと。チャレンジ精神旺盛で、我慢強い子が入るようになったと話してくれました。

つまり、4のシステム化は、ある程度教育が軌道に乗り出した後の、採用までのことも含めています。そして、発車の振動を感じるまでに3年はかかりますが、レールの上に乗せてしまえば、成長・拡大という駅に向かって次第に走り出します。そしてそのスピードは段々と速くなっていき、それは会社の本当の成長を意味します。

このような観点から、やはり経営と教育は大きな相乗関係にあるというのが私の実感です。

今でこそ弊社のご利用はありませんが、過去、規模がまだ小さい時に上記のような運用でご派遣をいただき、今では名前を聞けば誰でも知っているような企業様が数多くあります。会社の台帳を見ている時などに「へ~、あの会社もなんや」と、私もびっくりすることがあります。


さて、新たに年が明けました。令和4年は寅年です。トラで真っ先に思い浮かぶのは、タイガース…ではなくてすみません、『山月記』です。高校の時、国語の授業で習いました。

超難関試験を突破して優秀な官僚になったはいいが、名誉と名利を求めすぎて欲望が肥大化。「臆病な自尊心」と「尊大な羞恥心」の為に虎になってしまう、悲しい男の物語。昔の友人と森の中で再会し、自身のこれまでの運命を語り、最後に詩と妻子への計らいを託し、林の中へと姿を消してしまう。というなんとも寂しい気持ちになる物語です。

年始の、希望に満ちたタイミングであえてこの物語を思い返すことによって、一年の戒めにします。
私、今年が本厄なんです。


研修は下記より↓
https://www.shain-kyouiku.jp/


新入社員研修の(オンライン)無料デモンストレーションはこちら↓
https://www.shain-kyouiku.jp/search_detsche/free/cs158/?fs=mail


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?