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【一灯照遇】No.54 戦争から考える足下の教育

ここしばらくは鬱々とした毎日を送っています。海の向こうで戦争が継続しています。大学で戦争について専攻していた身としては、非常な危機感を覚えずにはいられません。

75年前まで日本も戦争をしていました。第一次も第二次も、戦端が開かれたのはヨーロッパでした。そして第二次世界大戦はヨーロッパで戦争が始まってから2年後に日本も参戦しました。


もしもそんなことになったら…と思うといてもたってもいられなくなり、長女には今のうちに伝えられるものを伝えておこうと家庭でも独自の寺子屋のようなことを始めてみました。


ウクライナを見ても分かるように、戦争が始まってしまえば、男は残って戦う必要が出てきます。もし戦わずに降伏してしまうと、その後の占領政策が悲惨極まるものになることは歴史が教えてくれます。

戦争は外交の最々最終手段ですが、不利な状態でも、抵抗して、できるだけ良い条件を出して停戦ないし降伏することがセオリーとされています。戦争にならないための外交的な話し合いがあるわけですが、日本が仮想している敵国は話が分かる相手でしょうか。

台湾や尖閣に毎日のように出没し、けん制してくる相手です。香港、台湾、尖閣、沖縄と狙いを定めているのは明らかです。加えて、北方領土や北海道の隣はロシアです。頻繁にミサイルを発射する国もあります。

これだけ考え方や価値観が違う仮想敵国に囲まれていながら、もし攻め込まれたら島国なので逃げ場がない。制海空権を奪われると、飛行機でも船でも逃げられない。アメリカと同盟を結んでいますが、助けてくれる確証があるのかわからない。妻と娘のパスポートだけでも用意するようにしておきます。

災害の時に守るべきは「命」ですが、戦争の時に守るのは「国の未来」です。そして未来とは女性と子供です。そんなことを考えて戦った若者たちも先の大戦ではいたはずです。私も最悪の場合は残って戦います。

結婚しなければ、子供がいなければ、こんな考えにはまずならなかったでしょう。

最悪の事態を想定して事を進める。国や家族の生き死にに関係するとなると、あらゆることを今のうちにしておく必要があると思いました。もちろん、何も起きなければ、それで一安心です。こんなのは杞憂に終わるのが一番ですから。


さて、長女(小3)の家庭内寺子屋ですが、基本的に自主学習や生活習慣を身につけるようなプログラムを始めました。「楽しみながら」「すこしづつ」「毎日する」ことを目的に、スタンプラリーのようなものを作って進めています。

勉強の内容は基本的に読み・書き・計算です。
読み書きは、名文と言われている文章や古典を音読し、その中の1節をノートに書く。同じものを5日連続で行います。計算に関しては、彼女は算数が苦手なので、百ます計算から始めてみました。割り算なんかは泣きながらやってましたが、タイムが伸びてくると、楽しいようです。

その他に、学校の宿題とは別に行う自主学習用の教材を買ってきて、やっています。楽しみながらできそうな教材を基準に選んでいます。

勉強以外の部分では、挨拶・返事・後始末・家の手伝い・起床と就寝の時間を決めて守ること等の項目があり、評価ごとにスタンプを変えて、点数化しています。それをポイントにして、本人の1週間の頑張りに応じて円に換算できるようになっています。

ポイントの単位はM(マーツ)です。松本のMから。1Mが0~10円の間で週ごとに変動するシステムです。円に換えると、実際にお小遣いとして使えるようにしています。先日、稼いだポイントを円に交換して、『鬼滅の刃』の最終巻を買っていました。

お金をあげるなんて、(人参ぶら下げて走らせてるみたいやな…)と初めは思いましたが、努力の結果の良し悪しで報酬が変わるというのは、社会に出れば当たり前ですし、為替などの概念をなんとなくわかってほしいという狙いもあります。

長女にも「このオヤジの寺子屋の目的は、お金を得る事じゃなくて、良い習慣を身につける事やで」と何度も言って聞かせています。どの項目も、「やるやらないは長女に任せる」「こちらから一切強制しない」というのも、親のルールとして設定しました。思わず口出ししそうになって難しいですが。


今回の戦争からも、改めて、国は人。人は未来。人と未来を作るのは教育。ということが身に沁みました。教育は社会に支えられているものではなかった。もしそうなら、社会のあり方で教育はその色を変えてしまう。黒にもなるし白にもなる。他国に戦争を仕掛けても、領土的野心をむき出しにしても、ある程度国民に支持される。

教育が社会を支えている、と考えると、よりよい社会にするためには、いわゆる人間教育が肝要であると考えます。人としてどうなのか。どうありたいのか。そんなことを自分にも、娘にも問い続けていこうと思います。

以上


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