法学編入試験対策 共同親権
1.はじめに
衆院法務委員会は、共同親権導入を柱とする民法改正案に関して、自民・公明・立憲民主・日本維新の会各党が共同提出した修正案を賛成多数で可決しました。法案は2024年4月16日の衆院本会議で可決され、参院に送付される見通しとなっています。
改正案では、離婚後の単独親権のみを認める現行法を見直し、父母が共同親権を選択できるようにしますが、DVや虐待の恐れがある場合は単独親権となります。共同親権の場合、日常の行為や急迫の事情においては、親権を単独で行使することも可能です。付帯決議では、日常の行為や急迫の事情の内容を明確化し、DVや虐待の判断において裁判官や調査官の増員を求めました。
共同親権は、家族法の中でも頻繁に議論される内容であり、法学編入試験においても出題が予想されるテーマです。
そこで、共同親権に関する問題を整理しましょう。
2.共同親権のメリット
共同親権のメリットは、以下のような点が挙げられます。
子どもの成長において両親が関与できるため感情的な安定感をもたらす。
親同士の連携が可能であるため、子どもの教育や日常生活のルーティンを共有できる。
父親と母親の異なる視点や経験を活かし、より多角的な視点で子育てができる。
離婚や別居などの家族の変化によって生じるストレスを軽減し、子どもの心理的な安定につながる。
3.共同親権のデメリット
共同親権のデメリットは、以下のような点が挙げられます。
親同士の意見の相違や対立が生じた場合、意思決定に時間がかかったり、子どもにとって混乱を招くことがある。
両親の仕事や生活スタイルの都合により、時間的な制約が生じることがある。
子どもが2つの異なる家庭で育つため、環境の変化による不安や適応困難さが生じることがある。
両親の連携がうまく取れない場合、子どもが感情的な緊張を抱えることがある。
4.共同親権の最適な活用法
共同親権の導入にあたって考えなければならない点は以下のような点が挙げられます。
両親の意見の相違を解消するために、コミュニケーションや妥協が重要である。
両親が連携できるスケジュールやルールを設定し、子どもに安定感と予測可能性を与える。
子どもの利益を最優先に考え、両親の意見をバランス良く取り入れることが重要である。
必要な場合は専門家やカウンセラーの助言を受けることで、共同親権の活用を最適化することができる。
5.論述のポイント
共同親権は子の福祉を考えた制度であり、基本的には、子のための制度です。親の権利がメインではないことに注意しましょう。
両親が協力し、子どもの成長をサポートすることが求められます。
両親が子どもの最善の利益を考える姿勢を持ち、適切なルールやコミュニケーションを確立することで、共同親権が最大限に機能し、子どもの福祉が確保されるという方向で論述することをおススメします。
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