目・耳・口<今月の”美味しい”情報>
▼〔2種類のとり天〕
鶏肉に天ぷらの衣をつけて揚げた「とり天」は、大分県の郷土料理。その発祥の店といわれるのが、大正15年に県内初の西洋料理店として創業した「東洋軒」だ。 厳選した九州産の鶏もも肉を、九州甘口醤油をベースにニンニク、ゴマ油などを合わせて下味をつけ、衣には水を一切加えず、新鮮な卵をたっぷり使って揚げてあるのが特徴。サクサクフワフワの衣に包まれた鶏肉は柔らかくてジューシー。そのままでも、『かぼす酢醤油』(200ml、594円、税込)をかけても美味。柚子の香りが際立つ塩味のとり天もあり、『本家別府とり天王&本家別府ゆずとり天王セット』(3000円、税込)ならお得にどちらの味も楽しめる。
(問い合わせ先・東洋軒 ☎0977・23・3333)
▼〔和魂洋才のスイーツ〕
滋賀県彦根市の「いと重菓舗」は、創業が文化六年(1809年)。彦根藩主の井伊直弼に愛された和菓子店だ。同店の菓子作りは、「日本の開国を決断した井伊直弼公の城下町・彦根より和の精神を根底に持ち、『洋』と『和』を調和させる『和魂洋才』の新たなかたち」を目指す。
その中の一つが『和こん』だ。濃厚なレアチーズケーキに、4日間かけて丁寧に炊き上げた大納言小豆を混ぜ合わせた。白いチーズケーキを切ると、断面にはくっきりと小豆色が映えて、繊細さが伝わる一品。レアチーズケーキは濃厚だが、小豆のほのかな味わいを邪魔することはない。とても上品な和魂洋才のスイーツだ。一棹1188円(税込)。
(問い合わせ先・いと重菓舗 ☎0120・21・6003)
▼〔緑茶とコーラ〕
新茶の季節。静岡県島田市の木村飲料が販売する『しずおか茶コーラ』(240ml瓶20本入り5000円、税込)は、日本三大銘茶の一つ、静岡茶の茶葉を使用した珍しいコーラだ。
見た目は緑茶そのもの。飲んでみると、コーラの中に確かにお茶の味がする。甘すぎず、さっぱりして飲みやすい。レトロなラベルには、静岡のランドマーク・富士山と茶畑が描かれている。お土産にも好評だという。同社は嗜好の多様化に合わせ、他にも珍しくて面白い飲料を多数開発。富士山麓の水を使った爽やかな『富士山頂コーラ』や、『うなぎコーラ』なるものまで。是非ご賞味あれ。
(問い合わせ先・木村飲料 ☎0548・32・7555)
▼〔摘みたての茶葉を〕
山陰の名峰「大山」の山麓では茶葉の栽培が盛んだ。鳥取県米子市の「ながた茶店」は、自社の茶畑で有機栽培した茶葉を、摘んですぐに畑の横の工場で加工している。
そんな新鮮な茶葉を使ったスイーツが『大山の香り 抹茶ろ〜る』だ。貴重な若葉抹茶「大山の白」を、純生クリームにふんだんに加えた。使用する抹茶の量は、ロールケーキ1本につきなんと6服分。クリーム部分には国産小豆を散らし、抹茶のほろ苦さと煮小豆の甘さがよい具合。フワフワの生地との相性もよく、表面に振りかけてある抹茶の香りも爽やかで、いくらでも食べられそうだ。1本2160円(税込)。
(問い合わせ先・ながた茶店本社配送センター ☎0120・475・023)
▼〔肝障害予防に〕
肝臓の健康維持に役立つペットボトル飲料が販売されている。青森県おいらせ町の柏崎青果が製造する『だぶる黒茶』は、弘前大学の論文でアルコール性肝障害の予防効果が報告された「黒ごぼう」が原料の一つとなっている。黒ごぼうは数週間にわたってゴボウを皮ごと蒸す。この製造過程で増強されたゴボウの抗酸化作用が、アルコール性肝障害の予防に役立つとされているのだ。
意外なことに、同商品は甘味と紅茶のような風味が特徴だ。柏崎青果の社長の柏崎進一さんは「輸送時の高温多湿で黒くなってしまったゴボウを食べると甘かったことが、商品製造のきっかけです」と語る。また黒ごぼうは、加工食品を作る際に生じる端材を使用している。食べ物を大事にする社長の心が生んだ商品だ。容量は350mlで、価格は130円(税込)。黒ごぼう自体も、柏崎青果のWEBサイトで購入できる。
(問い合わせ先・柏崎青果 ☎0120・229・961)
▼〔生まれ変わった銭湯画〕
湯煙の向こうに浮かぶ銭湯画。銭湯の浴室に描かれた壁画もまた、一種のストリートアートに違いない。
銭湯の減少によって絵師のなり手も減りつつある昨今、美大でもある京都精華大学と地元のスーパー銭湯「壬生温泉 はなの湯」がコラボ壁画を発表。現役銭湯絵師、田中みずき氏の壁画の老朽化に伴い、デザイン学部イラストコースの学生男女2名による新作が上書きされた。地元「京都」をテーマに、男湯はマットなテクスチャーによる幾何学模様のような鴨川の風景、女湯は悠久の京都を柔らかなタッチと色彩で表現したユニークな銭湯画に。現代のイラストレーションというひとさじの刺激と癒し。そんな銭湯体験を。
(問い合わせ先・壬生温泉 はなの湯 ☎075・813・2611)
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