短歌|野口あや子
水煙草
見つめたるのちのあなたの目のゆらぎ 風に混じるがごとく光って
水煙草ゆっくり吸って吐き出せばうすもののごとたゆたう煙
クッションをいくつも積んで膝頭緩めて語る小説のこと
ココナッツの炭をトングで返すときの短く切った爪のセクシャル
ロングシャツ揺らがせなびかせ揺蕩わせまだどうとでもとれる言葉を
中東の男権社会を語りつつ二人で吸って混ぜる吐息を
らんぷ洋燈 手を伸ばしたら叶いそうなことをあなたはまた思わせる
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