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大切な友達を亡くした話

2021年3月22日、とても大切な友達が天国に旅立ってしまいました。
悲しくて悲しくて、なかなか気持ちを切り替えられずにいました。
彼女への感謝の気持ちや、彼女がどんなに素晴らしい人だったか、楽しかった思い出をここに残して、気持ちを切り替え前向きに生きていこうと思います。

そして、彼女を知らなかった人にも彼女の残した音楽を知ってもらい、好きになってもらいたいと思います。

野口 茜という人

友達は野口 茜さん。私は「あかねこ」と呼んでいました。
彼女はピアニストであり、作曲家であり、2人のお子さんのお母さんで、ミュージシャンの妻でした。
ピアニストとしても、作曲家としても才能あふれる人で、たくさんの音楽を世に送り出した人です。

もし野口 茜をご存知ない方は、まずこちらのWebサイトをご覧ください。

Pianist 野口茜 official web site!
https://akane-noguchi.com

Discographyがまとまったページがなかったのですが、CDも出しています。
タワレコのページで見るとこんな感じです。

野口茜名義では2枚、野口茜がリーダーのラテンジャズバンドLos Tocaydoresで1枚、トランペット&ウクレレの茅野嘉亮とのDuoであるSomething Newで2枚、他のミュージシャンのサポートや、バンドメンバーとして制作に参加したCDもあったり、アニメのテーマとして使われた楽曲もあります。

彼女が得意だったのは、ラテン。
独特のリズムから生み出されるグルーブを楽しみ、ソロの場面では自由奔放、よく「のだめカンタービレ」の「のだめ」みたい…と思っていました。
バンドメンバーとおしゃべりするように、音楽を紡いでいました。

野口茜に興味を持っていただけたら、ぜひ彼女の残した音楽を聴いてみてください。

あかねことの思い出

ここからは、私の個人的な彼女との思い出話です。
今まで呼んでいたように、「あかねこ」と呼びます。

私とあかねことの出会いは、2006年1月。
原宿のライブハウス クロコダイルでライブをした時に初めて出逢いました。
私の所属バンドと、あかねこの所属バンドが対バンという形だったのですが、あかねこのピアノにはかなり衝撃を受けました。

その日のmixiの日記に、あかねこからのメッセージがあって、出会ってすぐだったけど意気投合した思い出があります。
年齢がひとまわりも離れている(もちろん私が上)のに、あまり歳の差は感じなかったなぁ。
そして、当時mixiをやり始めたばかりで、あかねこが10人目のmixi友達だって書いてある。
私が東京に引っ越したのが2004年で、やっと東京でのプライベートの友達ができ始めた頃でした。だから、あかねこはかなり特別な友達という感覚があります。友達になってくれてすごく嬉しかった。

その後は、私があかねこのライブを見に行って会うことが多くなりました。
あかねこの演奏も、あかねこが所属するバンドの演奏も大好きだったから、一時結構遠くまで追っかけて通った気がします。

2008年2月には、共通の友達のサプライズ誕生パーティーを私の一人暮らしの家でやってました。
この辺りの時期、子どもみたいにわいわい楽しくやってたなぁ。(私は当時すでに30代後半…)
今もあかねこのブログにはこの時のことが書いてあります。

このあかねこのブログで、私のことを「SAX奏者」と紹介してくれています。
あかねこはアマチュアでへっぽこな私を、常に一人のミュージシャンとして見てくれていて、必ずミュージシャン仲間として紹介してくれました。
これが私にとってはものすごく嬉しかったし、自信になったのです。
あかねこってそういう子でした。

その後、2011年に私は福井に引っ越し、2012年には北海道に引っ越すんですが、Facebookでは何かとお互いにやりとりをしていたように思います。
あかねこもその辺りの時期で結婚や出産など、人生の転機を迎えていましたね。

2014年7月のサッポロシティジャズにあかねこがSomething Newとして出演することになり、2歳頃のお子さんを連れてきた時に久しぶりに会うことができました。
ライブ中のお守りしたなぁ☺️
このイベントで、Something Newは準グランプリを受賞したのでした。

この時、宿を札幌ではなくなぜかニセコにとっていて、ライブが終わった時にはもう汽車がない!というハプニングもあり、ニセコまで私の車でドライブしたのは本当に良い思い出です。(しかも事前情報では宿は「小樽」と聞いていた😅)

2016年4月には、私が再び東京に転居していて、共通の友人からのお誘いで3人でライブをすることになりました。
あかねことは同じバンドになったことはなかったし、ライブ見に行った時にシットインさせてもらって一緒に演奏したことが何度かある程度で、ちゃんと一緒に演奏した事はなかったんですが、この時初めてそれが実現。

私の希望で、Something Newの楽曲から「Venus  Line」、そしてチック・コリアの「La Fiesta」を、あかねこのピアノ&私のSaxソロで演奏。
あの頃、私自身は少し演奏から離れていたこともあり、もともと苦手なアドリブはひどいもんだったし、いつもプロの方と演奏しているあかねこには物足りなかっただろうな…と思います。

しかも、集客私なりに頑張ったのに、お客さんを全く呼べず😢
あかねことの最初で最後になってしまったこのライブは、ちょっと苦い思い出にもなっています。

でも、私はしょぼかったけど、La Fiestaのあかねこのソロは、本当に鳥肌が立つすごい演奏で、音源をとっておかなかったのが悔やまれます。
あかねこもチック・コリア大好きで、私がこの曲を選んだ時、すごく喜んでくれたっけ。
しかも、この後、エリック・マリエンサルと共演して、La Fiestaも入ったCDも出しちゃったんだよね。
チック・コリアが東京に来た時に、直接会ってお話しもできたんだよね。
きっと天国でまた会えたことでしょう。

このライブのことも、あかねこのブログには書かれていました。
私がLa Fiestaを選んだこと、サックスでこの曲吹ける人なかなかいないって書いてました。
いつもこうやって、どこかいいところ見つけてくれるのがあかねこだったね。
本当に、また一緒に演奏する機会がいつか来たらいいな…と思っていました。
もしかするとすごく有名なピアニストになって、簡単には会えない人になっちゃうのかもなーなんて思っていたり。

2016年11月のエリックマリエンサルとの赤坂Bフラットでのライブの時は、東京在住時だったので見にくことができました。
その時のライブ音源がCDになっています。
あかねこに直接会えたのはこれが最後だったかな…。
何度かライブへのお誘いもいただいていたけど、なかなか足を運べませんでした。

私は東京と北海道を行き来する慌ただしい生活になり、2019年には再び北海道に引っ越し。あかねこは第2子の妊娠・出産。そして、発病。

最後にFacebookメッセンジャーであかねこが連絡をくれたのは、2020年の年末。
私が送ったロイズのチョコのおうちを、娘さん達と作ったよっていう報告でした。
あかねこがチョコ食べられないのはわかってたけど、でも娘さん達とクリスマス楽しんで欲しくて、頑張ってママの闘病を支える娘さんを励ましたくて、送ったものでした。
一緒に楽しんでもらえて良かった。

そして、2021年3月2日に私のFacebookの投稿に、リアクションをつけてくれていました。
これが彼女とのコミュニケーションの最後になってしまいました。

あかねこありがとう

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一番言いたいのはこれです。
東京で友達になってくれて、一緒に音楽やってくれて、私のこと褒めて自信つけさせてくれて、たくさん思い出作ってくれて、本当にありがとう。

もっともっと、あかねこが輝く姿を見たかった。きっとすごいピアニストになって、注目されて有名になるって思ってた。
それなのに、最後まで私に接する態度は全く変わらなかった。

こんないい子がどうして早く逝ってしまうのか、小さな子どもを残して旅立たなければならないのか、理不尽だと思うけど、闘病はとても辛いものだったし、今はもうがんばらなくても良くなって、きっとチック・コリアと天国でピアノ弾いているんだろうと思うことにします。

今も、プリンを見るとあかねこを思い出すし、北海道の美味しいプリン食べさせてあげたかったなぁ…と思います。(プリン大好きだったので)
多分、プリンを見るたび、そう思うんだろうな。

私はぼちぼち音楽続けます。
プロにもならないし、すごいアマチュアにもならないけど、好きな曲を自分の表現で楽しく演奏します。
あかねこの作った曲も、どこかで演奏できるといいな。演奏できるようにがんばります。

最後に

あかねこの旦那様でもあり、Something Newのメンバーでもある茅野くんが、クラウドファンディングをやっています。
あかねことの夢でもあった、旅をしながら音楽を作ることを叶えるための、キャンピングカー。
単なる感傷ではなく、コロナ禍の今、これって取り組みとして面白いと思うんです。(私もキャンピングカー欲しい!)
もし興味があったら、応援してください。(2021年6月15日 23:59まで)

キャンピングカーを移動式スタジオに!車をベースに作品を作り、アルバムをリリースしたい!
https://twinmusic.co.jp/ja/detail-project.php?p_no=91

天国のあかねこが安らかでありますように。

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