辞める勇気

会社を辞めたい。
最近そのことばかり考えている。

理由は決して一口に言えるものではなく、複雑で、全く整理されていない。それらを整理することに意義も感じられず、ただただしんどい!辞めたい!といった感情が先にたつ。

なぜこんなにしんどいのだろう。
なぜ毎週月曜日はこんなに憂鬱なのだろう。
世の中の大人たち、みんなすごくね!?
こんなことに耐えながら生きてるの!?
ほんと尊敬する。

こんな生活、もう耐えられないと、何度も考えた。



でも



辞められない。



なぜなら



勇気が出ないからだ。



それは、理系院卒で、同じ分野のことしか勉強してこなかったのに、26にもなって今更、他の会社、業種でやっていけるだろうかという不安でもあり、ここまで色々と教えてくれた今の会社の先輩たちに対する申し訳無さでもある。

学生時代にこの分野で活躍することを願って送り出してくれた研究室の先生に対しても、親の期待を裏切った感じがしてなんか嫌だ。

また、積極的な転職動機もない。
今の仕事がつらいから辞めたいわけで、他に何かしたいことや挑戦したいことがあるわけではないのだ。


苦労の末に達成があり、喜びがある。
これは今まで何度も経験してきたことであり、野球部時代も、研究室時代もそれは身に沁みて知っている。

一方で、向き不向きもこの世には必ず存在する。大して努力もしないのに他人よりできることはあるし、そういうわけではないけどなぜか努力が苦じゃないこともある。だから、適材適所的な考え方で言えば、向いていることをした方がいいと思うし、劣等感を減らせ、精神的にも安定すると思う。



だから、悩む。
今、私は間違いなく仕事がしんどい。辞めたい。

でも、わからないのだ。
これは耐えるべきやつなのだろうか?ここで投げ出すことは甘えなのか?この苦労は長期的に見ると成長の過程の一部なのだろうか。しんどいなんて泣き言を言わず、成長のために我慢すべきではないだろうか。



.....いやいやいや。こんなにしんどいのは絶対不向きだからに決まっている!ここで辞めるのは戦略的撤退だ。病気になる前に辞めるべきだ。



.....でももし転職先でも同じように感じたら?
無限に不向きだと思い続けたら?
これは不向きなのではなく、自分が絶対的に無能なだけだとしたら....?


ゾッとしてしまう。
だから、辞められない。
辞めることには、相当の覚悟がいる。


こんなようなことを考えていた折、
ある友人と電話した。

相談したかったわけではないが、話の流れで電話することになり、話の流れで上記のような気持ちを少し吐露した。

その友人はうんうんと小気味いい相槌をうちながら聞いてくれ、それだけでも少しすっきりしたのだが、
一番嬉しかったのは、辞めるのに勇気いるよねって話に共感してくれたことである。

あぁ、やっぱりそうだよね。って。


みんなそうなんだ。って。


友人も転職経験があり、前職を辞める際に同じような気持ちになったことがあるから、ほんとに心から共感したわけで、
そこに私を励ますためになんて深い意図はなかったと思うが、
結果として、私の気はすごく楽になった。



共感力ってこういうことなんだな。



何でもかんでも共感してもあまり効果はなくて、その人がしてほしい共感にちゃんと答えられるか。ちゃんとほしいボールを投げられるか。

これが人の心を軽くする力なんだと思う。

この友人みたいに、私も誰かの心の助けになれるような人でありたいな。

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