見出し画像

渋谷区ふれあい植物センターですよ

急にここの魅力や有難味を発信する必要にかられたので3月14日に行ったときの写真で紹介します。理由のほうは後程。

渋谷に植物園なんてあるのって感じだと思いますが、渋谷駅と恵比寿駅の間で線路沿いにずっと歩くと、熱源であるごみ処理場のそばに「日本一小さい植物園」と言われるその施設がそっとたたずんでいるのです。

規模も小さいし設備もやや行き届いていないように見えるかもしれませんが、全く文字どおりの「都会のオアシス」であるといえる、緑も部屋も人々も温かい特別な施設です。

画像1

このように歯医者さんかなにかのようなたたずまいです。ガラス張りなので近付くと温室なのが分かります。

画像2

もちろん周りには草花が細かに植え込まれています。

画像3

トサミズキ。3月なので春の高まりを感じさせる花の姿がありました。

画像4

画像5

あ、コブシとユキヤナギはシンプルに好みなので。レイジー!ユキヤナギの苗を売ってくれー!

画像6

入場しますとこのようなほっこりする植物関係の工芸品が。ススキのフクロウですね。いい意味で渋谷らしくないでしょう。

画像7

近隣の公園からやってきたワニガメ。動物も少しいます。

画像8

解説は手作り感あふれたものです。ニンゲンの説明が泣かせますね。

画像9

さて温室の中ですが……!

画像12

鮮やかな花々、

画像10

画像11

画像30

所狭しと生い茂る大きな植物、

画像13

珍奇な姿をした植物、

画像14

また一方ではホタルの暮らすせせらぎを再現した一角……と、こじんまりとした中に驚くほど幅広い植物の世界が詰まっています。

画像15

そうかといって詰め込まれた息苦しさはなく、ほどほどに身近に感じられる造りをしたところが見られて肩の力が抜け、リラックスできる空間でもあるのです。

画像16

床面積が限られている一方高さはあるので、つる植物などが活躍するのですが、私が特に見応えを感じるのはビカクシダです。

画像17

簡単に言うと自分自身の一部の葉を植木鉢にすることで他の大木などに貼り付いて暮らすシダなのですが、頭上から垂れ下がってくる特徴的な葉の迫力が存分に発揮されています。

画像18

サンジャクバナナのかたわらに、

画像19

なんだか「ハクメイとミコチ」とコラボした解説が。コラボ期間とかではなく常設のようです。「ハクメイとミコチ」、おすすめのマンガです!

いや今おすすめすべきはふれあい植物センターであって。

画像20

画像21

温室のメインフロアを2階テラスから。

画像22

テラスには多肉植物や食虫植物が集結しています。

画像23

渋谷区グリーンマップを通り過ぎると地域とのかかわりや学習の側面が強い区画に入ります。

画像28

休憩室や図書室などがあって腰を落ち着けながらお茶を飲んだり植物について(だけの図書室ではないんですけど)本で学んだりできます。またそれらの部屋のちょっとした空間にこのような可愛らしい品物が並んでいます。図書室の選書は素晴らしいの一言。

画像24

ランの世界。野生植物としての特徴も解説しています。

画像25

画像26

3階には植物を材料にした工芸品、スパイス、変わった木の実などを展示するミニ博物館のような部屋があります。

画像27

ベランダはハーブガーデンです。

個人的なことになりますが、なぜ今年3月という自粛期間直前のちょっと物々しい時期にここを訪れたかというと、古生物飼育小説のアネクテンスゾウの回のために木について知りたいと思ったので、植物に詳しい図書室があるここを選んだんですね。

画像29

すでに多くの施設が閉場する中で粘っていたここがとてもありがたかったのですが、最大の収穫はこの写真の一角、森林保全に関する非常にさりげない掲示にすぎない、雑木林づくりの取り組みに関する展示だったのですね。

これあってこそ雑木林の主要な構成員であるドングリの木の世話について知ることができ、アネクテンスゾウの回を、アネクテンスゾウの世話だけでなく林の管理も行わなくてはならない、という奥行きのある内容にできたのです。

もちろんお読みの皆様にとってはそんな特別な意味が生じるとは思えないコーナーなのですが、展示施設での出会いとはどこに潜んでいるか分からないものです。

というわけで、現在の渋谷区ふれあい植物センターが、温かく、不思議な植物との出会いに満ちた都会のオアシスそのものであることがお分かりいただけたかと思います。

現在のと付けましたのは、リニューアルに関するアンケート調査というものが執り行われているからでして。

渋谷区ふれあい植物センターリニューアルに関するアンケート調査

この中の「アンケート調査ご協力のお願い」と、「アンケートフォームURL」の項目を見ますと、野菜を中心に地産地消をテーマとした施設に作り替える計画があるようなのです。

上に述べましたとおり、私はここを「小さな都会のオアシス」と捉えています。そんな意義ある施設を作り替えるからには従来のものの魅力を内包しつつも上回るものであるべきだと考えるのですが、限られた空間で限られた野菜を、人口の多い都会で作ってみせても、地産地消の取り組みを見せる場としての説得力は低いものと思われます。

アンケートの対象は「ふれあい植物センターを利用したことがある人」となっているので、この記事で初めてふれあい植物センターを知ったというかたにはあまり関係がないのですが、もし利用したことのあるかたがお読みになったり、万が一ですがこの記事をきっかけにおたずねになったというかたがいらっしゃいましたら、私の意見と異なってもかまいませんので、ご回答いただけましたら幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?