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ポケモンやってて一番気持ちが高ぶったときの話

ミュウツーの逆襲EVOLUTIONの公開が始まっていますね。しかしそれとは無関係に、私は今回のこのお話を、ポケモンというものがこの世にある限り永遠(とわ)に蒸し返していきます。

ブラック・ホワイトが発売されてからもう9年になるんですね。私はこの当時すでに大人でしたが、ブラックこそ、私が最も楽しんでプレイしたポケモンです。

何しろ赤しかプレイしていなかった私がプラチナがすでに出ていた頃にパールで復帰して、それから間もない頃にブラック・ホワイトが大幅心機一転ということで送り出されましたからね。戻ってきた自分をそれはもうしっかり迎え入れてくれたわけです。

「夢と冒険とポケットモンスターの世界」このフレーズがポケモンという作品のほとんどを言い表しているとおり、そこには新たな夢と冒険、そして新たなポケモンが待っていました。

例えばこんな具合でした。

シッポウシティに着いた私は、街の人に「ここのジムはノーマルタイプだからかくとうタイプのポケモンをそこの草むらで捕まえておくといいよ」と勧められました。

以前戦ったトレーナーの手持ちであった、角材を持った団子鼻の小坊主(ドッコラー)を思い浮かべつつ、私は教えられたとおりの草むらに入ったのですが、そこで待っていたのはドッコラーより、そして私のそのときの手持ちよりはるかに実力の高い、柔道着を着た青い怪人だったのです。

パーティは半壊させられなけなしのスーパーボールは叩き割られ、やっとの思いで捕獲したそのときこそ、最後まで大活躍を続けるダゲキとの出会いでした。

私は彼の剛腕を称え、グロッソテリウムという絶滅哺乳類にちなんで「グロッソ」と名付けました。

そしてこのシッポウシティとグロッソ、そしてすでに手持ちにいたワルビルの「オフォリス」こそ、今回お話する出来事の鍵だったのです。

シッポウシティの博物館はシッポウシティジムのリーダー・アロエさんが館長を務めています。そこを見学した私は、ゲームの画面の中とはいえ目を奪われるものに出会ったのです。

展示室の中央に屹立する、カイリューの骨格です。

カイリューといえば赤のストーリーを繰り返し何度もプレイしていた当時のお気に入りの一体です。均整の取れて頼もしい、それでいて優しい、「善のドラゴン」の理想の姿として私の中にあるものです。

その骨格が目の前に。博物館とポケモン両方を愛するものとしてこれほど感動するものがあるでしょうか。

私はDSの画面で許される限りの観察を行い、カイリューに対する理解を深め、その機能美を味わいました。そのときの気分は現実の博物館と全く同じでした。

そんな私の気持ちを知ってか知らずか、闖入者は現れました。

プラズマ団の連中です。

ポケモンシリーズでは毎回悪の軍団が登場しますし赤とパールでもロケット団やギンガ団と対峙していますが、それらと比較してもプラズマ団はすでに憎むべき存在として認識していました。なにせポケモンと人々を引き離すようなことを言って人々を惑わせ、さらに主人公の友人をはじめとする善良な人々やポケモンにしつこく狼藉を働いてきたのですから。

厳粛な科学と博物の場でまで粗相を働くプラズマ団に対して私の怒りはすでにリザードンの尻尾の炎のごとく燃え上がっていました。

そしてプラズマ団の現れたその目的こそ、私をギャラドスのごとき修羅へと変じさせたのです。

連中は、カイリューのあの見事な骨格から、頭骨をもぎ取っていったのです。

ブチリと何かが切れるのが分かりました。

ヤグルマの森を逃げていく連中を追う私とグロッソ、そしてオフォリスには何の容赦もありませんでした。

グロッソの ローキック! こうかは ばつぐんだ! あいての ミネズミは たおれた!

グロッソの ローキック! こうかは ばつぐんだ! あいての チョロネコは たおれた!

グロッソの ローキック! こうかは ばつぐんだ! あいての メグロコは たおれた!

オフォリスの かみつく! こうかは ばつぐんだ! あいての コロモリは たおれた!

オフォリスの かみつく! こうかは ばつぐんだ! あいての ムンナは たおれた!

プラズマ団の手持ちのほぼ全員に、グロッソの強力なかくとう技がてきめんに通じたのです。居合わせた無関係なトレーナーにさえもオフォリスが大体ぶっ刺さりでした。

しかもこのときの私には、他の手持ち達に経験値を分配するような分別さえなかったのです。私はグロッソを先頭にしてヤグルマの森を突き抜け、邪魔するプラズマ団の手持ちと団員本人のすねをグロッソのローキックでボキボキとへし折っていきました。

森の奥に達し、カイリューの頭骨とそれを持つプラズマ団員に対峙する頃には、グロッソとオフォリスのレベルは完全に他の手持ちから頭一つ抜け出し、団員には万に一つの勝ち筋も消え失せていました。

と、このときの出来事が、私がポケモンというかゲームをやっていて最も気持ちが高ぶった瞬間でした。

ブラック・ホワイトのシナリオライターさん、物語を盛り上げてくれる最高の悪役を登場させてくれて本当にありがとうございました!

なおこの後もプラズマ団とその首領・ゲーチスへの憎しみは続き、ブラックでは非常に手ごわいと噂のゲーチスのサザンドラの攻撃をグロッソの特性がんじょうで耐えてインファイトをお見舞いし、ブラック2ではゲーチスが繰り出してきたブラックキュレムをしんかのきせきを持ったレアコイルで完封し、ウルトラムーンでも割と丹念にボコボコにした上(怒りに任せて)脅迫を突っぱねてやりました。僕と僕のポケモンの目が黒いうちに僕の前でリーリエちゃんに何かできるなんて何考えてたんでしょうねゲーチス。次出てきたときもボッコボコにしてやりますよ。

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