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日本中で愛を唱え続けるべきけもの(けものフレンズアニメ1期の寄付促進効果に寄せて)

まずはこちらの記事をご覧ください。

東京大学大学院 農学生命科学研究科・農学部 日本中で愛を叫んだけもの 動物園と動物アニメは、絶滅危惧種への関心を高め、寄付を促進する

アニメけものフレンズ1期の放送により動物への寄付が促進されたことが立証されたというプレスリリースです。

けものフレンズの達成した快挙ではあるものの、私は現行のけものフレンズのファンとして、これを手放しで喜んでよいものというより、けものフレンズが真に動物達に貢献するものと認められるにはますます今後に向けて襟を正すべきという知らせと受け取ります。

理由は、効果が立証されたのが
・2年前のアニメ1期の放送のみに関してであること
・アニメ1期に登場した動物種のみに関してであること
によります。

以前書いたとおり、アニメ1期はけものフレンズプロジェクトによるコンテンツのごく一部です。

その前にはネクソン版ゲームとフライ版コミックがあり、その後には舞台、ぱびりおん、コミックアンソロジー、動物園コラボ、アニメ2期など、そして現在メインであるゲーム「けものフレンズ3」があります。

今回の研究ではけものフレンズプロジェクト全体の中で最も「バズった」アニメ1期の効果のみが立証されたにすぎません。

アニメ1期が特に話題になったために効果が大きかったとすれば、けものフレンズが今後もっと踏ん張らなくてはならないことは明白です。ネットでバズることでしかポップカルチャーが現実に影響を与えられないというのではあまりに刹那的です。

アニメ1期が特に注目を引いたために研究課題となるに至ったと考えれば、やはり「けものフレンズはアニメだけではない」ということを示していく必要があります

アニメ1期がバズったのが2年も前であり、データの整理にそれだけ時間がかかったためとも考えられます。だとすれば、今けものフレンズを楽しんでいる我々に動物達に貢献する効果があると認められるためにはまたそれだけの時間がかかるもので、今後も息の長い応援が求められます。持続的でなければならないのです。

そして、アニメ1期に登場した動物に対する寄付が増えたというのも、効果を明確化する研究においては好都合だったと思われますが、生物多様性保全の理念からすると課題ありです。

はい。再び登場、私の最推しのフレンズ、エランドさんです。うっ、美し可愛い。

エランドさんは出番に恵まれていないフレンズです。リデザインされる前のネクソン版では専用のキャラストーリーもあったのですが、リデザイン後はこうして動物園コラボのパネルにごくたまに登場するのと、ゲーム「けものフレンズfestival」で(セリフのない)限定キャラとして出たのみ、アニメ2期BDの付録でようやく自己紹介のセリフが付いたところです。

この他にもフレンズは400人近くいて、その大半はエランドさん以上に出番が不足しているのです。人気ありげなマヌルネコでさえつい数日前やっとけものフレンズぱびりおんで初めてちゃんとしたセリフが付いたばかりです。

このようにまだまだたくさんのフレンズがファン一人ひとりのお気に入りになる瞬間を待っているというときに、アニメ1期に登場した数十人というごく限られたフレンズにのみ寄付が集中しているとは、けものフレンズの波及効果もまだまだ途上のものであると実感させてくれるではありませんか。

幸い、今現在のけものフレンズは以前にも増してアウトリーチに力を入れています。

特に、WWFとの連携です。先日の「けものフレンズ3LIVE」では開演前の待機中のステージにWWFの広報映像が上映され、DVD販売カウンターの隣に据えられた募金コーナーでは「募金箱軽すぎなんだけどwww……お札ばっかりで」というジョークが飛び出すほどの募金が集まりました。(具体的な金額は発表されてたかな……?)

また、けものフレンズ3ではナショナルジオグラフィックをはじめとする団体の協力によりフレンズの元となった動物の解説に非常に力が入れられています。なんとガチャで当ててない子の図鑑も見られるのです。

意外なところでは理科年表とのコラボも行われています。裾野を固めていくやり方ですね。

こうした動きが今後も末永く続けていけるよう、我々も支えていきましょう。持続的に。

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