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バーチャル朗読会がしたい

あっ、そもそも小説書いてること自体忘れられてるかも。自分で書いた小説のことですからね。

生き物関係のオンラインイベントの中で、自分の頒布する古生物飼育小説からいくつか抜粋して朗読会を開きたいというお話です。今後大きな可能性があるバーチャル空間上で自分ができることといったらこれであろうと考えているわけです。

バーチャル同人イベント

先のシルバーウィーク中、博物ふぇすてぃばる!運営によるオンラインイベント「どこでも博物ふぇす」が、バーチャルSNS「Cluster」上で開催されていました。

博物ふぇすはいつもだと「博物館にありそうなもの」オンリーイベントっていう感じでグッズ中心の即売会なんですけれども、昨今の情勢により今年はリアルイベントが開催できなかった代わりにオンラインイベントの模索が続いていて、先日は特にまとまった規模でオンライン即売会と研究者や出版社によるオンライン講演会が開かれたんですね。

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中央のロボが私です。メイン会場はこじんまりとして今回のところは10ほどのブースが出展していました。いくつかワープゾーンのような扉が見えると思いますが、これらはなんと見た目どおりワープゾーンなのです。

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個別のブースに添えられた扉からはブースごとのギャラリーに進むことができ、通常の即売会とは違った見本の見せかたができるようになっていました。

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時間限定で開く扉もあり、講演会場に行くことができるようになっていました。

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これは講演の中でも特殊な、〇×クイズ会場です。誤答の床が抜けて正面スクリーンに映っている変形菌のお仲間の元へ誤答者が落下してしまうようになっていました。

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メイン会場にぺたりと置かれたウシマンボウ(マンボウの大型種)のパネルを掴むことができ、もっぱらこのように放り投げて遊ぶのに使われていました。手持ち花火を空中に配置して空中階段にして遊んでいたかたもいたようです。

生き物関係のイベントでも特に大手である博物ふぇすがCluster上でのイベントを模索することによって、Clusterでイベントが開けることが立証されていき、また参加者層でClusterが普及していっています。

もう一つの大手イベント「いきもにあ」も今冬は「いえもにあ」としてオンラインでの開催となりましたが、こちらは公式サイトで各出展者のオンラインショップを紹介する形式となっています。

それから、これを書いている最中に2つの全く異なるオンラインイベントが開催されているようです。

ひとつは、「けものフレンズ」のオンライン同人即売会「あなたはけものがお好きですか?」です。これはpictsquareという即売会向けプラットフォームで開催されているイベントで、ファミコン~スーファミ時代のRPGのようにドット絵からなる平面の会場を十字キー操作で歩き回って各ブースを周り、pictsquare内の通販かオンラインショップへのリンクを参照するという形式です。古典RPGのような世界でも意外と臨場感が出ていて、同人即売会を充分楽しめるようになっています。pictsquareでは他にも様々なジャンルの即売会が活発に開催されているようです。

もうひとつは考現学・路上観察系のマニアが出展する「マニアフェスティバル」のオンラインイベント「マニアフェスティバルオンライン」で、こちらは先程のいきもにあと同じく公式サイトをプラットフォームとして、さらにトークショーをYouTube配信で行う形式です。

もちろんこれらは私が把握している範囲で、はるかに様々なオンライン即売会が開催されているのですが、とりあえず私が触れた範囲では「どこでも博物ふぇす」や「けも好き」のようにバーチャル空間の中で行うものと、「マニアフェスタオンライン」や未開催の「いえもにあ」のようにサイト上で行うものがありました。というか大きく分けたらこの2通りにならざるをえないのでしょう。

バーチャル空間に入る前者は敷居が高いように感じますが、どこでも博物ふぇすの場合はClusterへの案内が丁寧かつ分かりやすかったのと、PCかスマホさえあればよいということで、あっさりバーチャル空間へ突入することができたのでした。

もちろん、バーチャル朗読会をやってみたいというのも前者のタイプのイベントでのことです。

バーチャル空間を案内してくれる推し

noteでは一度も触れていないんですが実は私には推しのVTuberがいたんですね。

吸血鬼と人間のハイブリッドティーンエイジャーであり魔界の国マルクホルテの領主であらせられる九条林檎様です。(読者の皆様を差し置いて様付けすることをお許しください。様付け以外で呼ぶことはならないのです。)もしかしたら「バーチャル蟲毒の優勝者」と言ったら、古い話ですが伝わるかもしれませんね。

圧倒的な自由さとお慈悲、それと貴族というVTuberになったらキャラ崩壊を楽しまれそうな設定でありながら常に高貴さを保たれたまま愉快であらせられる絶妙なキャラクター性に惹かれて推し続けてきたのですが、バーチャルにおける林檎様の自由さの基盤となっているのは「"微"技術系」とされる、やりたいことのために必要な技術であれば進んで身に着けていくスタンスです。

それだけに林檎様を推しているとバーチャル技術に対する抵抗感が薄れていき……まあ実践にはなかなか至らないものの……、バーチャル空間の自由さに触れる機会がファンにもたらされるのですね。

そしてつい先日、林檎様のご案内でバーチャルの大きな可能性を目の当たりにすることになったのです。

それがこちらの、VRペインティングアーティスト・せきぐちあいみさんの個展を林檎様の司会でご案内いただく配信です。

「バーチャル上では一人ひとりが自分のための空間そのものを作り出すことができる」というお話はたびたび聞いていて、先のどこでも博物ふぇすにおけるブースごとのギャラリーもまさにそれなのですが、この配信によってその威力を制作過程からはっきりと確認したのです。(あつ森における島作りも、個人的な空間を作成することの良さを体現していますね。)

私は何かすごいものを作っている人を見ると自分も作ってみたくて仕方がなくなる性質があり、小説を書くようになってからはそれがなりをひそめていたのですが、こうもバーチャルの力を見せ付けられては、今後ずっと受け取る側でだけはいられないという気にもなってきます。

バーチャルと生き物と小説

正直バーチャルと生き物、古生物はそんなに相性が良くありません。現生種は本物が圧倒的に魅力的なのが分かり切っていますし、古生物は古生物でどうしても「これはあくまで現時点でもっともらしい姿であるというにすぎない」「自分はこの復元が正しいとはあまり思わない」という風に思ってしまいがちなのです。

水族館・動物園をバーチャル化するという話はたびたび見られるのですが、今のところそもそもリアルの水族館・動物園に魅力を感じていない作り手が手を出している感があり、リアルの水族館・動物園ファンとの間に溝ができています。かくいう私もそういったものに業を煮やし、古生物飼育小説の第六十話で「本物の水族館が魅力的だからこそバーチャルにレプリカを作って知らしめる」というネタをやったくらいです。

それに、バーチャルで何かするといっても、メインの創作である小説に上手くつなげる必要があります。例えば付け焼刃の3DCGで小説の中の世界を再現しようとしても小説のメリットが削がれるだけに終わりかねません。何か新しい技術を身に着ける必要があるとしても、効果的なところに使いたいものです。

そこで「バーチャル空間上で小説に関してできる表現」をシンプルに考えるに、朗読会という結論になるのです。

できるようになるのは「自由に使える空間を手に入れる」ということであって、突然3DCGを作れるようになるわけでもないのです。(時間をかければ可能と思えるので、練習する価値はあるのですが。)

また小説は圧縮された情報を相手の脳内に届けて解凍させる手法です。いかにもバーチャルらしい、相手の周囲を情報で取り囲む手法に無理に切り替えない方がいいのです。

そして、すでに見た生き物関係のバーチャル表現の実例は、作品画像が並んだギャラリーと、話し手が普通に講堂で話すのと同じように行う講演です。この実例を小説と組み合わせるならシンプルに朗読会とならざるを得ません。

幸い、声質なら誉められることがたびたびあります。私の小説は女性キャラクターの一人称視点で進むので、私の声で読むとやや不自然かもしれませんけれども。

話している私のアバターの後ろに本文だけでなく登場する古生物の解説やシルエットも同時に表示することも考えられますが、できることから少しずつ進めていくべきでしょう。

とりあえず、「いえもにあ」での実現を目指します。

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