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年越しに当たり2020年の振り返り

振り返っても見渡す限り焼け野原だよというかたも多いであろう今年ですが、私にとっての今年を風景に例えるなら、なにか見たこともないような奇岩の立ち並ぶ平原か海岸にでもなりそうです。全体は平坦なようでいて、今までと異なることばかり起きたりやったりしていましたから。

去年の振り返りほどにはしょぼくれた記事にはならなさそうです。いや、この時点の目標もなにもあったものではなかったのもまた事実ですが。

古生物飼育連作短編小説「Lv100」の第九集が(例年と違って晩秋にずれ込んだとはいえ)出せただけでよくやったものだと言えば言えるのですが、それだけではダメだと去年までにも感じていましたし、さらに今年の全く新しい状況が加わりましたから、今年は下記の4つの新しいことに取り組むことができました。

・竜科学会に出展して、小説でない出展物と文章でない表現形態(特に対面での発表)を行った。

・第九集にしてついに登場古生物を自作のシルエットで図解し、同じ画像を宣伝にも利用した。

・オンライン朗読会を執り行い、バーチャルの世界で字書きとしてできることに向き合った。

・「あつまれどうぶつの森」で島まるごと博物館にすることに挑戦し、またあつ森仲間のかたが何人もできた。

文筆家として躍進かというとちょっと違うかもしれませんが、少なくとも表現や活動の幅は大きく広がったのではないでしょうか。

このマガジンのタイトルは「文豪始祖鳥の毒扇子」ですが、毒扇子とは自分の作っているものが即売会で「すぐに刺さる」イラストや立体と違って、買って実際に読んで初めて「効く」様子を、毒霧の出る扇子に例えたものです。しかし今年ようやく、ひとまず刺すだけはすぐ刺せる「毒ナイフ」を手に入れた思いです。

第十集は小説の内容そのものがこれまでと大きく違うものになる予定です。上記の3つを確実に自家薬籠中の物とした上で、自分が期待するとおりのタn……、第十集の内容を描けるよう、来年もやっていきたいと思います。そのために最有力な取材先に行けそうにない状況ではあるのですが……。

さて以下は上記を細かく述べただけのものです。今年はブログ時代と比べて割とまめにnoteに書き残していたので、順に記事を並べていきましょう。……出かける頻度が低すぎてあとから振り返るのが可能になってしまっているとも言えますが。

1~2月

振り返ってみるとお正月からいきなりこれを書いていたんですね。私の記事の中では根強く読まれているほうのようで、しかも「ドラパルト ディプロカウルス」で検索すると最初に出てきます。ありがたいことです。

しかし今年はその後ポケモン関係のことはあまりやらずに過ごしていました。

もはやずいぶん前のような気がしていましたが(去年のまとめでも触れましたし)竜科学会も今年1月だったのでした。小説以外の形態の創作に踏み出した上に現地では対面での説明を行うという、大きな挑戦でしたが、とても楽しんでいただけたようです。考えてみればこれがなければその後のオンライン朗読会などもなかったことでしょう。

この頃にはすでに感染症の脅威が迫りつつありましたが、みさき公園には行かずにおれませんでした。この記事を書いたすぐ後に休業のまま閉園になってしまいましたし。これほど有意義な動物園見学もなかなかないというものになりました。

3~4月 エア博物館

それから緊急事態宣言が出まして、全国の動水博もピンチだということになりまして、私にもできることを探して色々やっておりました。といってもクラウドファンディングに参加する以外は微々たるものです。

例えば、私はTwitterでは毎晩「古生物を数えて寝る」という奇習を続けておりまして、これはヒツジを数えて寝るのになぞらえて1晩1種古生物を選んではそれを数えて寝ることを宣言するというもので、

元々は調べて面白かった種類や新しく見付かった種類を選んでいたのですが、

3月からは行きたくても行けない博物館の写真をお蔵出ししていく「エア博物館」のタグに乗っかって、種類ごとにではなく標本ごとに数えるようにしていました。最初はリンコテリウムだったのか。

これは緊急事態宣言解除後に博物館に一応行けるようになってからもそのまま続いています。撮ったっきりフォルダに収めたままで省みていなかった標本を再発見することができて、これも自分にとって意義深いものになっています。(新種を覚える機会が減りましたが……)

3月にギリギリ取材に行けたのは渋谷区ふれあい植物センターでした。記事にしたのは11月でしたが、これは植物センターのリニューアルをめぐるアンケートが開かれたのが11月だったためです。今後もちょっと目が離せないようです。

その甲斐あって第六十七話を出すことができました。まともな春が来るように願って書いていたところがあります。また、この解説記事には動水博への感謝を表したくて参考にした施設一覧を掲載しました。

4月には、以前「けものフレンズ動物園レポ合同」シリーズに寄稿した文章をその1からその3の3つの記事で公開しました。これも動水博に行けない状況に合わせてのことです。

その後「飼育の日」特別企画として、古生物飼育小説を執筆した際のメモを3本の記事で公開しました。

5~6月 

4月にはすでに、退屈に耐えかねて手持ちのSwitchに「あつまれどうぶつの森」をダウンロードし、しそちょう島代表として島の自然を調査していました。

このときはシンプルに表現の幅が広がったと考え、実際、古生物飼育小説の第九集で登場古生物のシルエット図を描くに至ったのはあつ森でマイデザインを使うことになったのがきっかけなのですが、

あつ森そのものにどっぷりハマったのは、その後noteでお付き合いくださっている皆様のご存じのとおりです。島の中に博物館があるだけでなく島全体を博物館にしてしまえると気付いた上、

直接あつ森で交流していただけるかたがいらっしゃったり、

住民達とのロールプレイが楽しくなってしまったりしたのですから、ハマるのも当然なのでした。

そうしているうちに休業要請も明けて動水博に行けるようになったものの、なんだか少なくとも私にとってはつかの間の安息だったように思います。

とはいえそれが身になって、緊急事態宣言中の雰囲気をそれそのものでなくしたうえで織り込んだ第六十八話が生まれました。

7~8月

7月にはしそちょう島の化石が全種発見され、それを記念した記事があつ森を利用して自然史を解説する試みの先駆けをなりました。

そして数日~半月に渡って島の様子を記すプレイ日記が始まりました。また、この中でも動水博で撮った写真を盛り込んだりと自然史の解説を入れていきました。

この頃水族館成分の不足に耐えかねてしながわ水族館に行っていたのですが、ツイートや記事化はしませんでした。

7月の後半にはあつ森のサブアカウントができ、展示・ロールプレイともにどんどんディープになっていきます。

そして、新宿を通らなくて済むなら……ということで、博物館成分を補給しつつ地域と古生物の関係について学ぶため昭島市の郷土資料館兼図書館であるアキシマエンシスに行ってみました。小さくて簡素とはいえ、博物館の楽しみ、また自分の地域と似て非なる地域のことを味わうことができて大成功でした。

直接関係ある場所に取材ができたわけではないものの、それまでに集めた資料を活かして第六十九話を完成させました。

いっぽうで、何度か他のかたにご紹介いただく機会も経て、しそちょう島の展示は一旦完成しました。また花火大会があったことで、馴染みがありつつも去年まで参加してこなかったイベントにあつ森で参加するという、冬まで続く流れが始まりました。

9~10月

9月は記事の上ではとにかくあつ森が続きますね。いやまあ実生活もそのとおりなのですが。あとけものフレンズ3。

暑くなっていく一方だった前半に対して静かになっていく島の自然に対処しつつ、しそちょう島自然史博物館初の特別展開催まで持っていきました。

記事にしていないものの、板橋区立熱帯環境植物館、小石川植物園、井の頭自然文化園、国立科学博物館、神奈川県立生命の星地球博物館を見学することができました。これは第七十話の取材です。

しっかり取材をして、また有力な教科書を入手したので、植物というあまり大きく触れてこなかったものを主役とした第七十話を完成させ、第九集収録分が揃いました。

しかしすでにあまり時間がなかったので急いで本にまとめる作業に取りかかりまして……、ついに、自力で絵を描くという行為に踏み切りました。

さらにまたその裏ではバーチャルYouTuber・九条林檎様(20歳のお誕生日おめでとうございます)に惹かれ月水金の朝ラジオを欠かさず拝聴したりなどしておりましたところ次第にバーチャルの世界にいざなわれ、また各イベントがオンラインで開かれたこともあって、

バーチャル朗読会がしたいなどと言い出すに至ったのでした。

すでにこの時期に色々起こっているのでもっとしっちゃかめっちゃかになるだけなのですがさらに、

人生で初めてカジキ類を目にし、さらにアクアマリンふくしまが最高の水族館であることを再確認しました。(このバショウカジキはその後亡くなってしまいました。冥福というものを、特に人間以外の生き物の冥福というものを腑に落ちなく思っている私には、AMFにいてくれたことを感謝するしかできません。)

11~12月

11月は予約制とすることで無事開催できた神保町ヴンダーカンマーという超強力な「供給」と、

自分の「発信」の宣言から始まりました。この時点でオンライン朗読会が本当に開けることが決まっていました。

あつ森のほうは秋の奔走の末に2回目の特別展を開催した後は、大人しくまたクリスマスありきの冬に突入してやや静かになっていきました。

記事化していませんでしたが、群馬県立自然史博物館の飛ぶ生き物についての特別展「空にいどんだ勇者たち」を最終日にすべり込みで見学することができました。

しかしこの時期はとにかく、1月の竜科学会以来ようやくイベントに出展することができたのでした。運営の皆様本当にありがとうございます。

まずはいえもにあです。BOOTHでの発送に対応したり自分でもイベントを楽しんだりしながら、オンラインイベント出展の感覚をつかみました。

博物クリスマスデリバリーではとにかくオンライン朗読会に力を注ぎました。いえもにあと違って委託制なのでそちらも経験することができました。

しかしまだ11月初頭にお知らせした3つのイベントのうち、1月末~2/14の「どこでも博物ふぇすてぃばる!」が残っています。まだ特に朗読会の予定がないのですが、公式になければないでゲリラ開催か動画化するかもしれません。

どちらにしろ「どこ博」のタイミングでお出しするのにぴったりなネタがありますので、まずはそちらをご期待くださいましたら。

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