MEGUMI|ご挨拶—幻想と言語—
モーヴ街3番地、MAUVE ABSINTHE BOOK CLUBの司書として新たに就任しました、川野芽生と申します。司書とは申せ、一歩踏み入れば迷宮のごときこの菫色の庭をご案内することはわたしの手に余ります。いえ、モーヴ街を探検し尽くした者などいまだかつていないに相違ありません。
わたしがどういう者かというと、歌人・作家・文学研究者といったところでしょうか。ものごころついた頃から物語を書き始め、その後短歌を作るようになり、その間様々な文学形式に寄り道しながら今に至ります。
六歳くらいの時から将来の夢は「作家と大学の先生」でしたが、当時のわたしは知らなかった、その両立がどれほど大変かということを。現在、文筆業と大学非常勤講師業をしながらなんとか博士論文を書こうとしています。
要するにあらゆる言語芸術が好きで、「生まれて最初に目にしたものが言葉だった」とよく言っています。
「言葉」のほかに、わたしの探求しているものを表すキイワードを挙げるとするなら、「幻想」でしょうか。
人間にとっての世界は思惟と言語によって成り立っており、現実とは実現された幻想である——と思っていて、幻想を言語によって綴ることにより世界の構成を書き換えることに関心があるのです。
さて、これからこの空間で記していくことが、ここまでの自己紹介とどの程度関係があるのか、それはまだわかりません。ゆるやかな読書日記でも紡いでいけたらと思っております。
でもきっと、わたしの書くことの中心にはそれらがあるはずです。
気が向いたら覗きにきてください。
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